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2012年9月4日

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「高地戦」(THE FRONT LINE)(韓国映画):1953年7月27日、朝鮮戦争停戦協定成立後の熾烈な「高地戦」は誰も知らない

 朝一番でオープンしたFCCJダイニング・ルーム「PEN & QUILL」の予約をした。メニュを見て驚いた。コースが一種類しかない。嘘だろう。アラカルトも無い。老人で少食の会員たち向けのメニュではない。一つだけしかないコース料金は何と8925円、幾つかある前采の中で大根添えのフォアグラを注文すると840円増しの9765円。以前は3500円位から高くても7500円止まりだった。月々15000円を超える会費を取りながらこの料金は無いだろう。
値段もさることながら僕は糖尿病治療で漢方医から食餌療法を命じられており触れるものばかり。アラカルトなら選べるが強制的なコース料理だと禁制品ばかり。1)冷前菜2)温前菜3)スープ4)魚料理5)肉料理6)デザートと各アイテム毎に3〜4種のディッシュを揃えたコケ脅かしのメニュ。東急が誇る「韓国で二つ星」のシェフなのだそうだが、フランスや日本ではともかくキムチ料理の二つ星は信じがたい。リザーブしたがキャンセルし改めて懐具合と相談してトライすることにする。覗いて見たら2人しか客は居なかった。
バーで定番の仔牛のソテー・ディナーを食べる。これだって1890円、だが常識の範囲だ。ハニフさんとベトナムの女性だけがスタッフで知っている顔。後はIRSの臨時雇い。外人アソシエイト会員がハニフに「Can I see you tomorrow?」と聞いている。いつクビになるかハニフさんも分からないが、少なくとも明日は大丈夫と答えていた。何も知らされていないアソシエイト会員たちの客はバーが普通のメニュに戻り満席で、「Pen & Grill」が再開して喜んでいる。ただサービスをするいつものスタッフ(これ以下の記事はFCJ代理人、横木雅俊弁護士より「法的措置」をとると言われ削除する)

 音楽ミステリーの中山七里の書き下ろし推理小説「贖罪の奏鳴曲」(講談社:2011年12月刊)は彼の最高傑作ではないだろうか。デビュー作の「さよならドビュッシー」や「おやすみラフマニノフ」はともかく、「静おばあちゃんにおまかせ」などは緩くて詰まらなかった。
 弁護士、御子柴礼司はあの「酒鬼薔薇聖斗事件」の犯人、14歳の中学生をモデルにしている。少年院で艱難辛苦し懸命に努力し大学検定で資格を得て司法試験に挑戦し弁護士になると言うバックグラウンドで、高い弁護士料を請求し難しい事件を引き受け、勝訴を続ける。スーパー弁護士。冒頭でブラックジャーナリズムの記者の死体を処理するところから始まる。読者は当然御子柴が犯人だと思いその前提で読み続ける。警察は御子柴に辿り着き事情を聴取する。しかし死亡推定時刻に彼は東京地裁で法廷に出ていたと言う鉄壁のアリバイがある。ドンデンに継ぐドンデンで一気に読ませる。少年時代の贖罪に絡めて御子柴の生き方を描き最後にあっと驚く結末を持って来る。読み終わって暫し呆然とする。

 1950年から3年続いた「朝鮮戦争」。その最後の戦闘は誰も知らないと映画のコピーは踊る。終戦の締結は板門店で中国、米国を入れた4者で取り交わされた。しかし協定の実効はその日の午後10時からだった。北と南の兵士たちが平和裏に和平を喜びあって別れた。しかし後12時間先の話だった。最後の熾烈な戦いが始まる。

 50年6月末の開戦直後。カン・ウンピョ中尉(シン・ハンキュ)率いるワニ小隊は北鮮軍から猛攻を受け捕虜になってしまう。震えながら神に祈る臆病なキム・スヒョ中尉(コ・ス)を励ますウンピョ。死を待つばかりの小隊に北鮮中隊長のヒョン・ジョンユン(リュ・スンリョン)が言う。「お前たちが逃げ惑い負けるのは理由を知らずに戦っているからだ。この戦争は1週間で終わる。故郷へ帰って終戦を待ち祖国に尽くせ」と。ウンピョンは釈放され、負傷したスヒョクは傷の手当の為北鮮軍に連れ去られる。
 3年後の冬新しく赴任するワニ部隊中隊長(チョ・ジヌン)と17歳の身辺ナム・ソン(イ・デビッド)をジープに乗せ山道を辿って昔の小隊に着く。臨時中隊長シン・イリョン大尉(イ・ジェフン)は3年前ワニ部隊が見捨てられるのを救った20歳の若者。ウンピョが驚いたのは敵に連れ去られた臆病なスヒョクが逞しく成長し、二等兵から中尉になって仲間の信頼を集めていた。

 ウンピョを演じるシン・ハンキュは松本幸四郎似の面長のハンサム。同じ学徒出陣で親友のスヒョンはイケメンで女性に人気抜群コ・ス。二人とも軍服が良く似合う。この二人を中心に題名通り終戦を間近に控えた山岳での熾烈な戦いが展開される。終戦時までに占領した土地が領土になるから必死だ。
 同じ人種同士なので敵味方に分かれていても憎しみは余り無い。頂上付近の洞窟は取ったり取られたり。互いに相手への「お土産」マッコリやチョコレートなどを交換し、親戚への手紙を依頼する。憎しみなど感じない。ビルマの竪琴にように川を挟んで「戦線夜曲」を双方で合唱する。そうかと言っても北の女狙撃兵が一人一人正確に撃ち殺す。
 内務班も規律がゆるいので驚く。二等兵がため口をきき、小隊長が間違った命令を出すと撃ち殺す。日本軍の鉄の規律を知る僕等は唖然とする。

 1953年7月27日午前10時に停戦協定が成立した。しかし協定の実効は12時間後の午後10時だったことから、領土を巡って最後の熾烈な「高地戦」が行われたことは誰も知らない。

 10月27日よりシネマート系で公開される。

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