昨日(15日)は会社時代の仲間7人とFCCJでランチを食べた。13日メディアルームでのパーティ、14日「PEN & QUILL」でのダイニングは何れも資格停止の処分が下される怖れがあったので友人たちの名前で押さえてあった。しかし2度目の「お白洲」で晴れてお天道さまの拝める身となり自分の名前で予約できる嬉しさ。
だがランチをしながらイライラすることばかり。注文を取りに来た若い女性に料理の中身、スープの種類など聞くが一々カウンターに戻って尋ねている。注文した料理を間違って違う人に出す。最初から最後までゴタゴタばかり。遂にハニフさんが出て来て総て仕切りスムースに行くが、1週間前から働き始めた美形の女性に罪は無い。アウトソーシングを受けた東急系IRSがしっかり指導やトレイニングをしていないからこういう結果になる。素人の子にいきなりメンバーのサービスは無理なのですね。まして会員番号などは覚えていないし、そもそも誰が会員かも分からない。(これ以下の記事はFCCJ代理人・横木雅俊弁護士に法的措置をとると言われ削除)
日活100周年を記念してFCCJで特別上映された「拳銃(コルト)は俺のパスポート」。上映後主演の宍戸錠のトークショウはブログで紹介した。宍戸は出演した100本の中で尊敬する監督と気に入った作品は鈴木清順の「肉体の門」だと答えていた。
ヒューマントラスト有楽町では9月8日から10月5日まで100周年記念行事として、往年の日活映画60本を上映している。宍戸がナンバー1と挙げた「肉体の門」は昨日(15日)9時40分からの上映だ。混んでいると思い前日にチケットを買っておいたが狭い小屋でも30人足らずの観客だった。
およそ半世紀前、1964年の作品で当時19歳の野川由美子(現在68歳)のデビュー作。宍戸によると田村泰次郎原作のこの小説の映画化は5本あると。1948年、マキノ雅博監督、轟夕紀子主演が第一作。1964年のこの映画は2作目で1977年になると日活ロマンポルノ全盛期で西村昭五郎監督、加山麗子による3作目、4作目は1988年の五社英雄でかたせ梨乃、加納みゆき。TVドラマでは2008年にテレビ朝日が観月ありさ主演で撮っている。
家族と言えば兄しかいなかったがボルネオで戦死した戦争孤児のマヤ(野川)は生きて行くためにパンパンと呼ばれた娼婦に身を落とす。「関東小政」と名乗るおせん(川西郁子)の率いるパンパン・グループにはジープのお美乃(松尾嘉代)ふうてんのお六(石井富子)戦争未亡人の町子(冨永美沙子)らがいる。 戦争に負けた男たちは覇気が無く、生き抜くバイタリティに溢れた彼女たちが闇市を闊歩する。しょぼくれ男たちを見て来た娼婦たちは元曹長の復員兵、伊吹新太郎(宍戸錠)の精気が漲り元気溌剌な男に目を見張る。たちまち彼女たちを魅惑しねぐらの無い伊吹が廃墟の彼女たちの巣窟に転がり込んで来るのを許す。
娼婦たちには厳しい掟がある。惚れて身体をタダで売ると全員のリンチを受ける。小説でも映画でもここがミソで全裸にされ吊るされて鞭と棒で刑罰を受けるサディスティックのエロが売り物。最初に故郷の旧知の男と寝た町子、次に終盤近く伊吹を愛してしまったマヤ。街を一緒に出る約束が出来たマヤはリンチを受けながら秘かに笑みを浮かべる。
全裸リンチシーンではこの当時の映画ではヘアヌードはできないが(乳房は浮かび上がるが下腹部は逆光で見えない)大胆に野川や冨永が裸身を晒す。後の日活を救ったロマンポルノの走りだ。
清順監督のスタイリッシュの演出が光る。群像の中で芝居のように途上人物にスポットライトを当てたり、女性たちは着ているドレスで赤、緑、紫、黄色、そして着物姿と色分けしたり、構成舞台風に画面を割ったり、実験的な試みをしている。
冒頭に「星の流れに」がテーマ風に繰り返し流れて来る。宍戸の軍歌も良い声だ。この時宍戸31歳、豊頬手術で膨らんだほっぺに筋肉が背中や肩、腕に盛り上がった見事な肉体美を見せている。
今東西を問わず動物を映画の中で殺したり虐待したりするのは動物愛護協会から文句が来るので禁止されている。だがこの映画の中で牛を一頭撲殺し腹を裂き内臓を取り出し、肉を切り分けるシーンが詳細に描かれる。残酷な描写をサディスティックなエロと対比しながら映し出す清順美学なのか。
89歳、車椅子の鈴木清順監督に宍戸は、次作は自分の小説「シシド完結編 小説・日活撮影所」を原作に映画を撮る約束をしていると。
次回の「肉体の門」は9月24日(月)14時20分から上映される。
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