連休初日の昨日(6日)も都内某所で「お白洲」に引きずり出される僕の対策のために「FCCJ維新の会」の同志たちが集まり知恵を絞る。(これ以下の記事はFCCJ代理人・横木雅俊弁護士に法的措置をとると言われ削除)
時代劇小説作家の井川香四郎はさしたる文学賞を取っている訳でも無いがファンが多い。文藝文庫のために書き下ろした「樽屋三四郎言上記 片棒」(文藝春秋社:2012年7月刊)も大した作品では無いが気軽に読めて肩が凝らない。特にタイトル短編「片棒」は駕籠かきの二人組の話。相棒と一つにならなければ「片棒」では物事が運ばない。富籤で千両を当てた興奮で心臓が止まった金物屋。死体を運ぶ二人組が事件に巻き込まれる。
物語を通しての主人公は町年寄の樽屋三四郎。幕府の財政再建のために新たな増税を課そうとする南町奉行の大岡越前の守にも反抗し受け入れられなければ町年寄の権限で公方様へも意見を具申する。シリーズ7弾目のようだが初めて読んだ。頭を使わなくとも済む軽い読み物としては堪能した。
昨日(6日)はTOHOシネマズ日劇スクリーン2で「ツナグ」の打ちこみ(業界用語で初日の入場者数チェック)の日。混雑を予想して午前中に16時10分のチケットを購入したが、入って見ると客は半分チョット。やはりフジTVとのタイアップでなければ集客能力が違うか。(日本TVとの共同制作)。話題の作品だがスクリーン1で上映しないと言うだけで東宝の力の入れ方が分かる。
「あなたがもう一度、会いたい人は誰ですか?」謎めいた映画の見出しのコピー。「ツナグ」とは死んだ人とたった一度だけど会わせてくれる「使者」のこと。
さて秋山家は先祖代々サイキックのように死者と生きている者との再会を叶えてくれる秘術の鏡の保持者。お婆ちゃん(樹木希林)は幼い時に両親を亡くした孫の高校生、歩美(松坂桃李)と暮らしている。最初は半信半疑だが死んだ人にもう一度会いたい人は後を絶たない。工務店経営の中年男性、畠田(遠藤健一)はその典型的な例。使者の歩美を見て詐欺だと決めつけるも、ガンで亡くなった母、ツル(八千草薫)に会って土地の権利書を何処に置いたか聞きたいと言う。
女子高生、嵐(橋本愛)は学園祭で上演される「桜の園」の主役を巡り親友の御園(大野いと)と喧嘩になるが、御園が嵐の陰謀で交通事故死したのを悔やんでいる。
サラリーマンの土谷(佐藤隆太)は駅で倒れているキラリ(桐谷美玲)を助けたことからロマンスが始まりプロポーズの指輪を贈ってから行方不明になって7年。会いたいと思うが会うと言うことは死んでいることの証明になると悩む。
死者と会えるのは夜6時から夜明けまで。ホテルの901号室でお茶を飲みながら語り合う。
夫々のエピソードはもう少し面白くなりそうだが浅薄なのが惜しい。最後に両親が無理心中のように亡くなった真相をお婆ちゃんから聞いた歩美が「ツナグ」の継承者になることを決心する。原作は辻村深月の同名の小説。脚本と監督は平川雄一郎。テレビディレクター出身で映画「そのときは彼によろしく」でデビューしたがこの映画はその流れのような雰囲気だ。
テンポは良いが盛り上がりに欠ける。エピソードが3つに分かれ言葉不足になるのは仕方ないが死者との対面だから何かもっとドラマ的な感動があっても良いのではないか。淡々と2時間を超す長尺の展開に物足らなさを感じる。
有楽町TOHOシネマズ日劇で公開中。余り込んでいないので開映直前に行っても良い席が確保できる。
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