| コメント:0 |
2009年9月25日(金)
2009年9月28日スタートの連続テレビ小説(朝ドラ)第81作『ウェルかめ』。一流ファッション誌の編集者を夢見るヒロイン・浜本波美が、ひょんなことから地元・徳島に戻り、ローカル誌の編集に奮闘する姿を描く。
前作『つばさ』の舞台・埼玉(川越)を最後に全ての都道府県を一巡した朝ドラ。『ウェルかめ』からは、新たなスタートを切ったとも言える。
そこで、今回は、『ウェルかめ』と同じく、四国を舞台とした懐かしの『朝ドラ』を振り返ってみよう。
『ウェルかめ』の舞台は徳島・美波町
徳島舞台の"なっちゃん"星野知子が『ウェルかめ』に登場
徳島が舞台となるのは、第25作『なっちゃんの写真館』(1980年)以来、2度目となる。
『なっちゃんの写真館』 舞台は徳島
『なっちゃんの写真館』は、写真家・立木義浩の母・立木香都子さんの半生をモデルにした作品。昭和初期、徳島でカメラマンを志し、後に家業の由緒ある写真館を継いで、仕事と家庭をみごとに両立させた女性の、戦中戦後の奮戦記だった。
そのヒロイン・西城夏子を演じた星野知子が、『ウェルかめ』では、カリスマ編集者・近藤摂子として登場する。
「29年前、徳島が舞台の『なっちゃんの写真館』に出させていただきました。当時のロケのことや徳島弁で苦労したことなど、しみじみと思い出します。29年前はただがむしゃらにやっていましたが、今回は少しでも皆さんのお役に立てるよう、徳島の皆さんにも喜ばれるようにがんばります。今回は"さっそうとした編集者"という役ですので、ヒロインの人生に影響を与える素敵な編集者になりきりたいと思います」と感想を語っている。
編集者を目指したヒロインが高知県にも
『ウェルかめ』のヒロインと同じように編集者を夢見て奮闘する女性の青春時代を描いたのが、第40作『ノンちゃんの夢』(1988年)。こちらは、徳島県のお隣、高知県が舞台だった。
『ノンちゃんの夢』 ヒロインは高知出身
物語は、役場勤めを辞めて高知から上京したヒロインが、戦後の混乱期、さまざまな失敗や苦労を乗り越え、女性のための雑誌創刊という夢を実現するというストーリー。
ヒロイン・結城暢子を演じた藤田朋子は「父が印刷関係の仕事をしていましたので、子どものころから製本を教えてもらったり、馴染みがあるんです」と役との共通点を語っていた。
朝ドラ2作目は香川・小豆島舞台の文芸作品
四国が舞台の最初の朝ドラは、早くも2作目に登場している。香川・小豆島を故郷に持った人たちの、愛と善意の物語『あしたの風』(1962年)だ。
『あしたの風』 香川・小豆島が舞台
壺井栄の短編「風」「右文覚え書」「母のない子と子のない母と」「あしたの風」「雑居家族」などを、一つの長編に仕立て、瀬戸内の美しい海をバックに描いた。
なお、朝ドラの第1作『娘と私』は月曜から金曜までの放送で、放送時間も朝8時40分から9時までの20分間だった。それが、この『あしたの風』から、現在の8時15分放送開始の15分間、月曜から土曜までの放送となり、現在まで続いている。
愛媛舞台の『おはなはん』で不動の人気に
朝ドラの人気を不動のものにした作品といえば、第6作『おはなはん』(1966年)だろう。
『おはなはん』人気で愛媛も沸いた
陸軍将校の夫と死別したヒロイン・はなが2人の子どもを抱え、さまざまな困難にあいながらも、持ち前の明るさで明治、大正、昭和の時代を生き抜く姿を描いた。
それまで文芸路線だった朝ドラに、初めて女性の一代記路線を敷いた作品で、1年の平均視聴率は45.8%、最高56.4%を記録。ヒロインに抜擢された樫山文枝は一躍、国民的な人気になった。
舞台となった愛媛県大洲市では、ロケのたびに黒山の人だかり。"おはなはんまんじゅう"が売り出されるなど、この人気に沸き立ったことは、いまも語り継がれているという。
四国舞台の朝ドラは、21年前、作品数では41作前の『ノンちゃんの夢』以来となる『ウェルかめ』。久しぶりに朝ドラが四国に帰ってきた、といえるだろう。
さらにNHKでは、2009年11月から3年にわたって放送予定のスペシャルドラマ『坂の上の雲』で愛媛・松山を、2010年大河ドラマ『龍馬伝』は高知を舞台になるなど、四国を描いた番組が目白押し。こちらも楽しみだ。
四国が舞台の『連続テレビ小説』一覧
放送年(作目) 番組名 四国での主な舞台
1962(2) あしたの風 香川・小豆島
1966(6) おはなはん 愛媛・大洲、松山
1973(13) 北の家族 愛媛・宇和島
1980(25) なっちゃんの写真館 徳島
1988(40) ノンちゃんの夢 高知・安芸
2009(81) ウェルかめ 徳島・美波町
(2009年9月25日 記)
徳島舞台は『ウェルかめ』で29年ぶり2回目
では、香川、愛媛、高知は...