阻塞気球

アメリカ人ジャーナリストが1940年〜41年のロンドン大空襲の初期に、ロンドンを訪れた際の記述によれば、

阻塞気球

あれ(阻塞気球)は都市の外縁を気球が輪を作るように囲むものだと思っていた。しかしロンドンの気球は輪など作らない。不揃いに植えられたアスパラ畑のアスパラのように、市内のいたるところに浮いている。私の見るところ、高度は四千フィート(1,300メートル)前後、エンパイア・ステート・ビルの高さの三倍だ。朝上げるところを見ていると・・・・ロープにつながれた気球はゆらゆら揺れながら上昇する。ある程度高くなるいと揺れがおさまる。

ドイツの気球

気圧が下がるにつれて、しっぽの先端部が膨らみはじめ、所定の高度に達したときは不格好ながらピンと張って、気球から突き出した格好になる。これが方向舵のような役目をするので、気球はどれも同じ方向を向いている。風の強い日に、放牧された牛が同じ方向を向くようなものだ・・・・気球は・・・・トラックの荷台から上げられている。来襲する急降下爆撃機に阻塞気球の位置を予知されないように、トラックはあちこち移動する。

上の写真はドイツ軍の気球で、気球を上げることにより敵の爆撃機は高度を上げて攻撃せざるを得ず、その結果爆撃精度が低下し、対空砲火に晒される時間が長くなる。


元へ戻る