出雲大社本殿の屋根の飾り

高さ二十四メートルの屋根の上に高く交差する千木(ちぎ)の長さは七.八メートルもあり、千木に開けられた穴は人が入れる程の大きさです。棟に三本載っているのが太い堅木(鰹木とも書く、かつおぎ)で、鰹の姿から名付けられたとも言われています。私が昨年参拝した際に見た感じでは千木などには緑青が付いたような状態でしたので、材質は木材を銅板で覆った物か、青銅製のように見えました。

千木に開けられた穴は強い風を逃がし風圧を減らすためのものであり、出雲大社の千木は交差した二本の材を棟の上に載せた形式で、「置き千木」といいます。


出雲大社の屋根の飾り

伊勢神宮の千木(ちぎ)と堅木(かつおぎ)

千木の切り口

千木の切り口を見れば祭神の男女別が分かります。出雲大社の千木を見れば垂直に切ってあるので祭神は男性であり、下の写真にある伊勢の皇大神宮は女性である天照大神(あまてらすおおみかみ)を祭神とするために、切り口を水平にしてあります。

堅木(かつおぎ)の数

堅木の数についても祭神の男女によって奇数、偶数の違いがありますが、出雲大社の場合は男性である大国主の命( みこと )を祭るために、その数は奇数の三本です。

平成18年10月に伊勢神宮をお参りした際には、念のために堅木を数えて確認しましたが、祭神が女性である皇大神宮( 内宮、ないくう )の正殿の屋根には金箔を施されて光輝く堅木が十本、その手前の建物の屋根には少しだけ金箔を施したもの八本(写真のもの)、一番手前の建物には金箔が全くないもの六本がありました。男性である豊受大神( とようけのおおかみ )を祭る外宮( げぐう )の屋根には、それぞれ堅木が九本、七本、五本あります。


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