EMフェスタ2001
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セラミックス分科会
EMフェスタ2001
専門分科会
『セラミックスの多面的活用分科会』
コーディネーター
比嘉 新 (株)イーエム総合ネット
パネリスト
宮城誠 (株)イーエム研究機構 本社
井上幸照 (株)アムロン
加藤昭博 丸石窯業原料(株)
菱川幹朗 (株)三昭堂
2001.11.17
司会:
セラミックス分科会に参加いただき誠にありがとうございます。
ただいまから「セラミックスの多面的活用分科会」と称しまして、EMセラミックスの基本的性質と活用事例、さらには応用の可能性ということを、皆さまへ幅広くご紹介する場になれば幸いと考えております。
分科会のコーディネーターを務めさせていただきます株式会社EM総合ネットの比嘉と申します。よろしくお願いいたします。
EMセラミックスはEM技術の三本柱の一つと言われておりますが、農業、水処理の分野ではかなりの活用が広がっています。しかしながら現代科学で説明できない部分がかなり残されている面もあります。再現性とかが求められる工業分野ではなかなか進展していかないのが現状にあります。
そこで今回の分科会におきましては前半、セラミックスの製造をされている二つのメーカーの方から、基本的性質と性状についてお話をいただき、後半では実際事業としてやられている方から、さらに応用の可能性として研究という立場からいろいろお話をいただきたいと考えております。
はじめにEMセラミックスの製造メーカーの一つであります株式会社アムロンの井上様より「セラミックスの基本的性状と使用方法に関して」と題しまして、水処理を中心とした実証データのご紹介をいただきたいと思います。
井上さんよろしくお願いします。
井上:
ご紹介いただきました株式会社アムロンの井上と申します。EM−Xセラミックによる水浄化の取り組みということでご紹介をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
私は「EM−Xセラミックを利用して環境浄化に貢献する」ということを使命に現在株式会社アムロンとして取り組んでおります。
主なテーマが三つあり一番目は水質浄化、2番目が土壌改良、そして3番目に、空気浄化、大気浄化、この三本柱を主なターゲットとしてセラミックの研究に取り組んでおります。
「EM−Xとは何か?」ですが、EM−Xセラミックの中でEM−Xの役割というのは抗酸化力を持たせる。そしてセラミックはそれぞれの用途に応じて機能を持たせていく。ということが非常に大切なことであると考えております。
会社で研究しているのは、いかにセラミックの機能を上げていくか、ということを主な研究テーマとしております。セラミックの機能を十分生かしていくためには、四つのポイントがあります。一つめが、目的に応じて原材料を選定するということです。そして2番めに強度とか効率の問題ですので、配合比率の問題が出てきます。そして3番めに形状、どういう形状が一番適しておるかということで、使用する場面場面で形状を変えていくということが必要になってきます。そして最後の4番めに焼成条件です。セラミックの場合は、陶器と磁器ということで温度によって分かれていくわけですが、これは用途によって、どういう温度履歴で焼成をしていくかとか、最終的にどういうものを求めるか、吸水率がどのくらいであるかとか、そういうことを完全に実証していかないとなかなか目的に応じたものが出来ていかない、というふうなことが言えると思います。
セラミックの場合はいろいろ用途があります。例えば淡水を真水に浄化する場合、全てではないですが、一つの要素として、水が汚れる原因は、アンモニア体の窒素というのが、汚染の原因になります。
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アンモニアがどのぐらい取れているかについて、菌床として考えた場合には、菌を棲みつかせるということになるとセラミックでも出来ますし、炭でも出来ます。極端に言えばスポンジでも出来ます。ただ棲みつかせるということではなくて、アンモニア体の窒素をセラミックに取り組むということが非常に重要なポイントになります。これは何故かと言いますと、アンモニア体窒素をセラミックで吸着すると、そこにいるEM菌は5科10属81種以上の多種の微生物がいてその微生物の中の脱窒菌が、窒素を分解しセラミックの中に集まってくるという考え方をしています。
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海水の場合はアオコと言うよりも赤潮の発生原因となるものはオルトリン酸であると言われておりすが、これも先程の事例と同じで、リンの除去率を示したものです。リンを取るためには、原材料や温度条件などを満たしていかないとなかなか目的に応じたものが出来ないということです。
それぞれのセラミックの遠赤外線放射率を測定したものです。セラミックには遠赤外線効果があることは、業界でも言われています。
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セラミックは全て遠赤波長というのを持っております。遠赤波長は普通の石にもあるし、炭にもあります。遠赤外線の効果は人体で考えると、非常に重要なポイントになります。遠赤外線の専門の先生からお聞きしたところウエイブ・レングスとは、長さで5から7の部分で伝達率が高いか、ということが一番大事であるということです。
色々な原材料でテストをした結果、遠赤セラミックというかたちで制作し一番高い遠赤の波長、放射率が出せるものがようやく完成しまして一般に提供できるようになりました。ちなみに炭は遠赤セラミックと白セラミックの真ん中ぐらいの遠赤の放射率です。
次に現在、取り組んでいる一つに産学官の共同研究があります。地方自治体と国立大学そして民間企業で共同研究をしており、地下水の浄化ですが利用が出来る目的がありまして、いかに水を無駄にせず、今まで使えなかった水を使用出来るか、そしてまたそれを再利用出来るかをポイントとして現在取り組んでおります。
地下水は皆さんご存じのように、金気水と言われますが、鉄分とマンガン分が非常に多いということです。これは飲料水にもなかなか使えません。農業用水にも使えないことで、非常に問題点がありました。
今までの技術は酸化をさせるために薬剤である塩素を使用しており、塩素を使用すると残留塩素が残りトリハロメタンが発生します。トリハロメタンは発癌性の物質として、非常に身体に悪いことが言われています。最近は身体にやさしい水とかおいしい水が求められておりますので、それで私どもが研究を始めたきっかけになりました。
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酸化還元電位のグラフです。酸化還元電位は水が酸化の方向にあるか、還元の方向にあるか、という事です。酸化還元電位は飲料水に関しクリアしなければいけない項目として挙げられておりますが法的な規制はありません。法的には塩素を入れることです。一番いい水や理想的な水にするためには、酸化還元電位にこだわらなければいけません。地域によって酸化還元電位の高低がありますが、平均で約650mV(ミリボルト)から700mVの単位の水が水道水です。人体が通常マイナス100mVから250mVくらいで、平均すると200mVということです。これは、人体が200mVの体液の還元デインの中に700mVのものを入れていくと、人間の身体は65%以上が水できているので、どんどん還元電位が上がってきます。分かりやすく言うと身体が酸化をしていくことになります。
私どもは飲料水の部分について、非常にこだわっている部分です。塩素を除去したり、他の酸化物をいかに飛ばすかなどについて研究をした結果、人体に近い酸化還元電位の水を作ることが出来たということが実証されました。
我々が目指すのはいろいろ化学反応を起こさせるとか、薬品を使うというやり方ではなくて、天然のものを天然の手法でよくしていくことが私どもの趣旨です。
先程申し上げた金気水をよくするとか薬剤、塩素等については一切使わずに今新しい技術として空気酸化という技術を開発して、空気をどんどん送り込むことによって酸化させて鉄分とマンガン分を除去する目的でやってきました。これは全くあとのリアクションはございません。 地元の水道局でやったプラントです。最初どのくらい鉄分やマンガン分が取れるか、というデータを取るためのパイロット・プラントです。
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パイロット・プラントによる実証試験が終わり、スケールアップし能力を約10倍にしました。
ほとんど水道局レベルで使用出来ることで、高松市の水道局で採用されましたプラントです。このプラントは後処理で微生物が非常に使いやすくなります。水を浄化するために、一番良い方法は自然の力での方法でそれは微生物処理です。EMにも同様に浄化し分解する能力はありますが、分解をしていくということはそれなりの無駄な労力を使うということですから、出来るだけEMに負担をかけないようなかたちで自然の方法で処理し浄化していくシステムです。
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除マンガン性能のグラフです。マンガンを取る性能がどのくらいかを簡単なグラフにしました。もしも専門的に詳細データが必要な方はお申しつけ下さい。
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除鉄性能のグラフです。除鉄についは、99.9%まで鉄分の除去は可能です。
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これは農業用地下水除鉄・除マンガン装置です。通常機械はスケールアップしていくけれども、これは逆にスケールダウンというかたちで行いました。
浄水場の水量は非常に多く他の分野で応用出来ないかとJAやいろんな方々と相談したところ、農業用の地下水を浄化してほしいと希望がありスケールダウンで成功しました。地下水から鉄分やマンガンを除去し農業用水に利用することによって、鉄分やマンガンが農作物に悪影響を与えないことが結果として出ました。それ以外に付加的な効果でランニングコストの負荷が軽減されました。通常地下水を利用した場合は、配管に目詰まりを起こし、マンガン分と鉄分が動脈硬化のようになり、配管の交換工事は非常に費用がかかり、段々地下水を利用しなくなったのが現状です。
それともう一つは、薬剤、塩素を使わないことで、農作物に対してEMの利用がやりやすくなったことで、農家の方々から装置に対しての評価をいただいております。
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これは先程の装置の概略です。井戸からポンプで引き上げてプレフィルターで色々なSSを除去して行き、除鉄槽でエアーを送り込んで鉄分を取っていきます。そして最後にマンガンを取るシステムです。
地域によって鉄分が多い所やマンガン分が多いなどがあります。両方多いところも当然ありますが、日本全国色々な方々に聞きますと、鉄分で困っているところが一番多いということでシステム的には、除マンガン槽を除けても十分に働く装置です。
これはNパウダーと言っておりますが、Nと言うのは、窒素のNです。
施用方法は植物の中にボカシとして入れるとか、肥料の中に入れるとかです。の浄化をするためには、窒素分は除去しないといけません。ただし植物を育てるため、肥料分としては窒素やリンが必要になってきます。
今までフやり方は窒素やリンを施用しますが雨が降って地下浸透し、地下水の汚染に繋がります。もう一つは肥料分も相当量流れるので、効率が悪くなります。この二つのポイントを改良する目的で、セラミックを水の浄化とは逆なかたちで肥料分を保つ補肥で利用しております。
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これが補肥量の関係です。
Nパウダーを利用した芝生のテストでは根の長さ、上の生え具合などの違いが分かり確認できました。
その他にも水族館の海水の浄化や一般家庭利用などの分野で使用されています。今回は時間の関係上、全てをご紹介することは出来ませんが今後環境浄化に関して、皆さまに情報発信をしていきたいと思います。以上で私ども株式会社アムロンの発表を終わらせていただきます。
司会:
井上さん、どうもありがとうございました。会場の皆さまから何かご質問等はございませんでしょうか。
では続きまして、こちらもEMセラミックスの製造メーカーであります丸石窯業原料株式会社の加藤様より「微生物のお宿としてのセラミックス」と題しまして、発酵促進剤の効果等、その辺をご説明いただきます。
加藤:
丸石窯業原料株式会社の加藤です。
名古屋の旧通産省、今は経済産業省の工業技術院という国立の研究所がありその中に10年前から人工粘土研究会という日本で一番最先端の粘土の研究会があります。会にはセラミックのイナックスや日本ガイシなど大きな会社などが入っています。
今年10月のセミナーで8人の講師が土壌微生物のテーマで発表しました。国立大学農学部の先生が5名、日本ガイシの方と、私もその中でやらせていただきました。その時、私が苦労して作った講演の論文集でテーマが「瀬戸の木節粘土と微生物のお宿」より抜粋して今回、発表しますので宜しくお願いします。かなり学術的で難しいのですが説明を分かりやすくしたいと思います。尚、発表後でも質問をいただければお答えいたします。
だれもが、EMセラミックにおいて素朴な疑問はなぜ高い温度でEM菌が生息できるのか?ではないでしょうか。いくらEM菌が、熱に強いと言っても200度くらいまでで、生命がなくなり、体も残さないのが常識ではないでしょうか?
最初の品名はテラで、今はEM−XスーパーセラCと言うセラミックスですが850 度から900 度くらいで焼いた多孔質体のセラミックスで生ゴミにかけていただく製品があります。それから水処理用のボール状のセラミックスは1,300 度で焼いていますので、常識ではその中に微生物なんて絶対いないはずですが、それがなぜEMの菌の働きがまた復元するのでしょうか?現代の科学では誰もが分からないところだと思いますが、ぼやっと分かってきましたので説明をします。
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写真がEMのセラミックスに使いました瀬戸地区の粘土の山です。もともと陶磁器用に使っている瀬戸地区の粘土です。下の岩盤の所に、白い水が溜まっていますが、その上からがほとんど粘土です。
埋蔵量に関して製造量と使用量から100 年と言われておりますが、1000年分ぐらいの埋蔵量と予想されます。
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EMセラミックには、生ゴミの処理と、土壌改良剤で、EM1号液をベースに目的に応じて2、3、4号を組み合わせて使っております。
例えば発酵が強い時は、EM4号液を多めに入れるとか目的に応じて使っております。左の方に写っている粘土がありますが陶磁器用では世界で一番いいと言われております。粘りが非常にあるということで専門的に、カオリナイトという世界中どこにでもある鉱物に、有機物、数百万年前の松と思いますが松が完全に無機物と一体化し有機物とコンプリクスされた非常に貴重な粘土です。瀬戸地区の粘土を水で溶かすと粒子が平均1ミクロンで細かい物は0.1 ミクロンの粒子です。
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瀬戸地区の粘土をベースにEM−Xや、EM1、2、3、4の菌を均質に分布させます。
EM菌がいかにコミットと言うか、密着していくかということをあとでご説明します。 これが850 度から900 度で、先ほどの方法で混合したものを焼いて粉末にしたものです。 EMセラミックスの粉末を生ゴミに振りかけて、蓋をしておくと、見事に発酵していきます。粉末の中には顕微鏡でどんなに覗いても菌はいません。いないはずのEM菌がなぜここで復活するのか分からないところです。
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写真はパウダーを1ミクロン以下の平均0.7 ミクロンくらいにし、食品保存用のフィルムの中にマスターバッジに入れ、ブロッコリー等の保存テストをしました。この時に失敗した例があり非常に参考になると思いますが、EM−Xの抗酸化力を求めて鮮度保持にと考えたが、最初粉の設計をテラと言う生ゴミ発酵剤をベースに0.7 ミクロンあるいはもっと細かくし入れてみると、見事に中の食べ物が発酵しました。その時の制作時温度は850 度ではなく、1,300 度で焼いたのです。そうすると1,300 度で作成しても発酵するセラミックスはどうなっているのか証明しづらいところです。
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これはゼオライト系、粘土系、パイプ35という製品で、EM総合ネットで商品として扱っています。備長炭を作る方法で焼きますが炭素が残ります。使用例として塩素の多い水道水の除去率にすぐれています。両方簡単に作り分け出来ます。
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このタイルは淡路島の津名町で水泳用のプールを全部EMで施工するという工事があり入札が決まってから、話が来てタイルの生地から釉薬の中にも全部EMを入れ目地までもEMということで、EM入りで作成したプール用のタイルです。
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プールの写真です。プールの水に波動という言葉を使っても、この場ならいいと思いますが学会で波動という言葉を使うと怒られますので、今回はお許しいただきたいと思います。このプールではEM的波動が効いて、水が非常にクラスターという集団分子が小さくなり、結果的には塩素を入れても飛んでいきます。保健所が検査に来た時に、基準を下回り、怒られたという例です。
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これは2005年に予定している万博のテーマがネイチャース・ウイズダムと言って、「自然の英知」と言うすごい大きなテーマですが、借用させていただきました。
今回はEMですので、筆頭にBを上に持ってきて、「バイオロジー」微生物という意味です。もう一つは「ミネラル」ミネラルでも特に粘土と言うことです。それからもう一つの要素は、アムロンの井上さんも言っていました「ウォーター」と言う水の要素です。この三つの要素をすべてマッチングしてやると、いいセラミックスが目的に応じて出来ます。この重なりの真ん中をエネルギーやカロリーと思ってください。例えば、850 度の領域に上げると、多孔質体の細かい穴がいっぱい出来きました。もっと上げて1,300 度、1,400 度でもEMの効果は出てきます。これまた不思議なところです。カロリーを上げたところにセラミックスが出来ます。三角の真ん中のところがセラミックスです。
微生物を研究されている方にはEMと言うと抵抗があるところもあって、EMとは書かずに中身をばらばらにして書いてます。放線菌、光合成細菌、乳酸菌、糸状菌、酵母菌です。最近では、それぞれの場所の土壌菌などを使っても、要素を整えればそれなりの土壌菌のセラミックスが出来るのではないかと思います。
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もう一つの要素は粘土で自然原料です。木節粘土というのは茶色の粘土ですが、粘土の中の鉱物名としては、カオリナイトと言い六角板の形状をした粘土です。それからハロイサイトに近いような粘土もあります。藁のストローのような恰好をした粘土もあります。それからモンモリロナイトで寒い地方にしか出ないゼオライト系に近いような粘土があります。それからゼオライトは農業用の土壌改良剤として、もともと使われておりますので、当初ゼオライトを使いましたが、水処理には非常に有効な時もあります。それからセリサイトという粘土もあります。おもしろいのは合成で作ったカオリナイトです。
カオリナイトはこの研究会のテーマでして20年前の話しですが、日本の粘土原料があと1年、2年で枯渇するという見解があって、それなならば合成で作ろうと珪石(SiO2)とアルミナ(Al2O3)をゾル、ゲル状にし水熱反応で合成し人工で粘土を作りました。人工粘土を使っても同じような現象が起きたら、カオリナイトが良いことの証明になりますのでピュアで純粋なものを作って実験をやりました。
もう一つの要素は水です。EMの場合の水は地下水が一番良いのです。それは、pHが酸性に近いからです。瀬戸地区の粘土質を通った地下水は酸性で鉄やマンガン分が多少入っています。土壌改良剤や、生ゴミの処理用、あるいは農業用など目的に合ったセラミックスにするにはマンガンやミネラルが、セラミックスの中に入ったものが良いのではないかと思います。その他に雨水が良い場合もあります。雨水は最初の降り始めの10分間を除けば、電気電動度が低い良い水です。コストも安くできます。雨水を溜めるのに、電気代も必要ありません。水道水でも実験をやりましたが、結果的には良くありませんでした。何故かというと、日本全国、北海道から沖縄まで、水道水には塩素が入っています。塩素が入った水道水を利用しEMセラミックスを作成し、波動測定器で計ってみましたが、結果はパワーが上がってきませんでした。
では純水の場合はどうなるのでしょうか?純水にもいろいろあります。蒸留水があり、純水があり、超純水、今超々純水と言って、理論的なH2Oだけという水も出来ます。セラミックスが超純水まで持っていくと、全く機能しません。水は、非常に抱き込む力が強くなっていき、微生物群の能力を出させないのか、あるいは微生物を休眠状態にしてしまうような強い水、機能を持った水になります。
反対に機能水というのを使うと、色々な組み合わせができ、ある意味で非常におもしろいものができます。EM−XとかEM−Zまで入れると、8種類くらいあり、粘土も8種類くらいありますので、水も8種類くらいで、約10×10×10で、1,000 通りの組み合わせた実験が考えられます。バケツで生ゴミ処理し畑に入れてかなり近い数の組み合わせで実験をやってみました。
非常に専門的ですが木節粘土のもとの無機物のところは、六角形をした板状になっております。サイズは一番細かいところで0.01ミクロン、上は2ミクロンくらいです。平均1ミクロン以下です。厚みが100 オングストロームから50オングストロームと、非常に薄いものです。粘土の粒子の大きさを覚えておいてください。1ミクロンよりほとんど下です。EM菌のサイズは乳酸菌から酵母菌などで1ミクロンよりも上じゃないかなと思います。ウイルスやリケッチアなど人間の身体に悪いのはもう二桁下、0.01ミクロンぐらい。悪玉菌は粘土を使って、悪玉菌を再現しようと思うと、なかなか出来ないというのは、あとで見せる図により分かると思います。無機物が引っ繰り返ったと思ってください。粘土の表面に必ずカオリナイトと水が付いています。
+−の形が水のH2Oの1分子と考えてください。水と言うのは、絶対1分子では存在しなのです。最小の集団分子が7分子くらいだと言われていますが、集団でクラスターになる最小分子の7分子が粘土の表面にしっかりと捕らえられて、イオン的にマイナスとプラスで捕らえられて逃げない水が液体窒素などの様にマイナス何百度でも凍らないし、温度を上げた場合に200 度でも飛ばないです。近くにいる活性度の高い水は100 度くらいで飛んでいきます。先ほどの水は最後まで残ります。これがキーワードになると思っています。
もう一つ天然の粘土の特徴は表面に水が付いていて、もう一つゆらゆらとした表面のイオン類です。カルシウムイオンや、カリイオン、ナトリウムイオンとか腐食酸と言って有機物が付いています。この有機物は、武田薬品が分析した瀬戸の黒い粘土には、ベーターリーグルガンが沢山くっついています。ベーターリーグルガンは、癌の特効薬のアガリグスク茸で有名になった免疫の高い腐食酸です。
天然の粘土を波動測定器で計ると、免疫や癌のところにものすごく高いプラスの領域の波動値を出すので、腐食酸のベーターリーグルガンが非常に影響役しているのではないかという予測をしました。
当初、瀬戸の粘土がこれほどEMとマッチするとは思っていなかったので、世界中のあらゆる粘土を先ほどの三つの組み合わせで同じ850 度で焼いて比較してみました。
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反応構想図で説明します。粘土の一つの粒子を考えると0.1 から0.5 ミクロンぐらいです。1個ではなく重なってできております。その中にEMの菌がコロニーを作っております。乳酸菌1匹では、ならないと思います。EMも81種いるけれど乳酸菌の一番似たもの同志は、この場所で何匹かのコロニーをしているのではないかと推測します。
乳酸菌類のコロニーがあり、光合成細菌のコロニーあって、これらのコロニーの大きさは数ミクロンと推測できます。これらの回りにプラスマイナスの電荷があり、微生物の持っている電荷と粘土が持っている電荷の表面がちょうどプラスとマイナスでぴたりとくっつき合うのです。
水はものすごく吸引力がありマイナスイオンと、EM菌が持っている、細胞膜の外側のセルがぴたっとくっついて逃げられない状態になります。
カオリナイトはコロニーの回りをみの虫のカラのように覆ています。それに特殊な前処理工程をして、800 度の温度に徐々に上げると中の微生物は身体が細胞膜で覆われていますから、全部有機体あるいは中でガス化していきます。膨満して来て、中のガスがCO2とH2Oになります。ここで、中側が、カオリナイトの鉱物としてはカルシウムやカリと言うのを持っています。そのカリやカルシウムが、カリガラスに800 度ぐらいでなります。微生物はガラス質がすごく好きです。
EMセラミックスが出来る前に特許を調査したところ、30数年前にフランスで、普通のガラスにホウ酸で孔を無数に空けて、バイオリアクターというガラスの製造技術がありました。
色々な微生物を培養して増やせるセラミックスを作ることで、バイオリアクターという技術が非常に進んだ時期がありましたが、それが何故普及しなかったかというと、作り方が非常にむつかしいのとコストが高いということでした。800 度から900 度ぐらいに温度を上げていくとガスが、内部におれなくなり、一番弱いところを突破口にガスが逃げていきます。ガスが逃げて孔の空いたところがあり無数に繋がります。
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水銀圧力式による木節粘土使用多孔質セラミックスの細孔径分布曲線です。生ゴミや畑とか色々な所にセラミックスを撒くと、先ほどの孔の中に乳酸菌や酵母菌が入りかなり短時間の内に増殖作用を起こすと想像出来ます。これはあくまでも想像です。映像で見たわけではありません。孔の直径は、水銀プロシメーターと言う測定器で計ると出口の大きさが0.9 ミクロンから1ミクロンぐらいだと言う証明したグラフです。
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瀬戸の粘土と東海三県下、三重県の粘土、岐阜県の粘土で各地の粘土の特徴をこれで比べると、瀬戸の粘土の場合カリが非常に優先して効いているということです。
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微細孔質セラミックスのバイオ活性評価表で実験の結果です。NZカオリンというのはニュージーランドのカオリンで、焼き物には白くていいと言いますが残念ながらハロイサイタカロインと言ってストローみたいな恰好をしています。それからバンカカオリンはインドネシアのカオリンです。 瀬戸の粘土はみんなカオリナイトに有機物が入った粘土です。有機物だけ多い粘土があり、石膏や、ボーンチャイナだとか、普通の焼き物も効果があります。人工粘土に有機物をくっつけて作った結果はアタンって言う有機物が多いのが一番よかったです。
他の鉱物の形が違う粘土は、みんなダメでした。全部バケツのテストまでやった結果です。今日はセラミックスですので、これでメカニズム的なミクロの世界をなんとなく分かっていただけたのでないかと思います。ここで、一応終わります。また質問がありましたら、あとでお願いいたします。
司会:
加藤さん、どうもありがとうございました。 ご質問等ありますか?
質問者1:
二人のパネラーにご質問します。800 度ないし1,000 度以上の燃焼に、微生物が生きて耐えれないと素人ながら考えますが、EM菌の1ミクロンという、話がありましたが、EM菌が飛んでしまうことによっての多孔質という考え方は成り立たないのでしょうか。その辺の見解を教えていただきたいのですが。
加藤:
もっと高いところですか? 今の説明は、850 から900 度ぐらいまでは多孔質です。残ったセラミックは穴ぼこだらけの多孔質体です。それ以上温度を1,300 まで上げると、多孔質体ではなくなります。そこでも同じ現象が起こるのは、もう一つ仮説を立てる必要があると思います。今の説明は多孔質体ということです。
質問者1:
いや、私が申し上げているのは、EM菌が飛んでしまった穴ぼこです。これは多孔質というような中には入らないんでしょうか?微生物が飛んだその空間と言いましょうか。
加藤:
空気中や水中にいる色々な菌が、多孔質の中を選んで入ってくるのがいます。それの菌が増殖されて出て来ます。それがEM菌の種と同じような菌で復元もなく、ゼロから生まれてくるのでもなく、色々な場所の中から入ってきて、それらがまた増殖し出てきて、EM菌と同じ働きをしていく。という説明しかつかないと、思いますがいかがでしょう。
質問者1:
ありがとうございます。
司会:
では次の発表をやりたいと思います。続きまして、セラミックスを住宅建築という、実際の事業の中で活用されている、株式会社三昭堂の
菱川様より、「セラミックスの住宅建築での活用と蘇生の家作りを目指して」と題しまして、発表をお願いいたします。 資料の方をお配りしておりますので、これに基づいたご説明をいただくかたちになります。では、菱川さん、よろしくお願いいたします。
菱川:
菱川です。よろしくお願いします。
私どもは建築業界の、今までネックになっておりますシックハウス症候群または化学物質過敏症ですね。これはマンション、木造住宅、鉄骨などでも問題になってきており、問題点から、どういう方法がないものかということで、勉強してまいりました。
住宅関連にたずさわっている方はご存じかと思いますが、日本古来の木と土と紙ということです。国産材で住宅を作ればシックハウスだとか、化学物質の過敏症というのは出ないんです。国産材での住宅は、坪単価が非常に高いです。名古屋地域での価格は、45万円以上坪単価出さないと、出来ません。
我が社は坪22万、25万、28万円という大衆商品の住宅がメインですから、そこに天然素材を沢山使うということは無理でしたが、そこの中に自然を取り込むということで、EMの出会いがありEMの建築資材の開発やEMの建築の工法を考案しました。
基本的にはEMとEM−X、EMスーパーセラ、また天然素材の複合を加工した建築資材を開発してEMスーパーセラの家、家族が元気に暮らせる家作りということの臨床をやっておりまして、今年度で建築資材の開発と実際体感展示場ができます。
健康という言葉を使うと薬事法などにひっかかってうるさいですから、パンフレットにも「元気になる家作り」というのをテーマにして、5、6年、研究をして来ました。
いろいろな事例で実際にスーパーセラの工法、工事をやりますと、坪2万円ぐらいかかります。50坪の家ですと、土壌改良から最終工法まで入れていくと100 万円ぐらいになります。工事費としてオプションでかかって来ます。
「元気になる」という家に住んで、元気になれたらすごいという課題で6年ぐらいやってきました。実際のモニターで新築される方またリフォームの方にEMの資材を使っていただいて、臨床事例をやって来ました。重症患者の家へ無料でやらせて下さいと言って、施工しましたらどんどん元気に改善されていくということが分かりました。EMは社会にすごく貢献できることを実感しております。
キョウセイの住宅は、パンフレットに載っているのは40万円ちょっとの住宅です。天然素材を使った中にEM資材が入っております。うちの主流は25万、28万円の住宅の中にほとんどEM資材が入っております。
「元気になる」住宅に住んでいると病気も、障害も、改善はしていくということはあっても、普通でいう完全に復帰したとか、完治したとか、元気度100 %になったということの実感は得られませんでした。EM抗酸化力を利用した、玄米や自然食、それから水など自然食品を兼ね合わせて継続的に日常の暮らしの中で、EM化を全体にしていくと、元気度が100 %改善していくということが事例で沢山いただいております。
パンフレットに載っているように、1階が健康自然食品を販売しております。基本的にはEM商品、玄米や野菜なども予約販売をしております。2階が玄米弁当です。もうひとつがそばの2種類弁当を販売しています。最初は150 人の社員の食堂で企画しましたが一般に開放して欲しいという声で、9月20日から開放しました。玄米食は、1日まあ10食売れれば良いと思っていましたが今は1日30食の限定でほとんどすぐ売り切れます。それからそばも基本的に100 %全て自然指向で作り食品公害への挑戦という意味も兼ねてやっております。
展示場の横には、EM農法、実験農場を作り、雨水利用も行っております。トイレで出ます大小便をEMの循環をかける装置が設置されています。今後検討して水を循環させて窒素、リン酸、など肥料の原資にしていきたいと思っております。
EMの実験で花、野菜はすごい生命力を持ち皆さんもびっくりされますが、目の当たりに見ていただこうということで条件の最悪な埋め立ての土地で表土が15センチしかなく下は採石のグリ石が入っている劣悪の場所で始めたのですが、EMのお陰で収穫が出来ました。
木造住宅がわが社の主力でEMスーパーセラの家の特徴は、白アリ対策ということです。 名古屋地区はほとんど住宅金融公庫の借り入れでやる関係上、もっとも私たちが嫌う白アリ対策をやらなければなりません。白アリ対策をやらないとお金が出ないという規制があります。「元気になる」住宅はヒノキや、ヒバと言う公庫の天然素材を入れた中に、EM化をほどこしております。土壌処理、基礎や壁、床、屋根、要するにEMの箱にしていることになります。効果としてまずゴキブリが繁殖しません。それにネズミ、ダニ、今はシラミとかノミはあまりいませんがそういった虫が涌かないです。
実験でレストランの2階、3階がそば打ちの部屋で、部屋中そば粉の粉だらけです。通常だと、ゴキブリの巣になるはずです。それからレストランの厨房は、食品のカスのたまり場でゴキブリやネズミの巣になるところです。通常レストランですと、月に1回、業者が入ってゴキブリやネズミの駆除対策をします。この店舗ですと3〜4万円くらいかかるでしょう。駆除掃除を毎月やらないと、保健所からお叱りがあり清掃度のランクが落ちます。レストランでは半年以上は経ちますがゴキブリの姿、ネズミの姿は発見されておりません。それ以外にもカとハエもこの中には入りにくいんでしょうか。あまり姿を見かけません。
EM処理は、レストランにおいて清潔という面でいいかと思います。 いろんな実験を6年間にやって来ました。 モニターへの条件はEM施工を無料で工事するかわりに3か月に一遍、健康度の経過チェックをいただきに上がるという条件です。体験集の一部をご紹介させてもらいます。
伊藤さんという方ですが、昨年の10月頃より手、足の指、膝、肘の関節が腫れて痛くて歩くのも苦痛で接骨院、内科へ通院していました。今年1月の検査でリウマチと言われ、この病気は治りません。一生付き合っていく病気です。これ以上悪くならないように、注射や薬で様子を見ましょうと言われ、いっそのことこのままと思うほどでした。皆様の話をいろいろ聞き、これではいけない少しでも良くなると思い1月中旬頃EM−Xを飲み、アシブルハジエキシート、セラミック入りシーツ、セラミック入り元気ボールなどで3月より痛みも少し和らぎました。5月下旬に寝室へ、天井、壁、床にセラミック資材を施工しその頃から体調も良くなり、今では以前と同じように仕事、家事と出来るようになり大変喜んでおります。お医者さんでもびっくりするほどです。EMセラミックと出会って、身体が軽くなったような気がします。これからもがんばります。
こういうお便り、体験報告ですけれどもいただいております。
皆さんが体感されるのは、新築された家で目がちかちかするとか、頭が痛くなるとか、臭いがきついとかがありあます。新築してしばらくそういった臭いが抜けるまでに月数がかかります。スーパーセラの家のモニターでそんな症状はほとんど出ません。皆さん方の体験からですが、スーパーセラの家に住んで偏頭痛とか、女性の方ですと生理時に激痛を起こすとか冷え症の方などが1週間ぐらいで改善されたという方が見られるようです。それからアトピーが改善して来たとか、不思議なことに高血圧の方で上が180 で下120 くらいだったのが新築受け渡しをして、しばらくすると正常値の上が145 、下が85に改善された方が見られるようです。
私ごとですが低血圧で寝つきが悪く寝起きが悪い、低血圧の症状でしたが、スーパーセラに住んで上が125 の下が80になり、上が30ぐらい改善され寝つきも寝起きも非常に良くなりました。
基本的にはスーパーセラの家だけではなく、玄米を食べて昼は100 %のキゴウチそばを食べ、夜はまた玄米を食べてその後はスナックへ飲みに行くというのが、毎日の日課になっています。現在はEMづくしの家ということで広報活動をやっておりますが多方面で、EMスーパーセラ、並びにEM系統の開発がおもしろく皆さま方に大変喜んでいただいております。
来年度から全国的にEMスーパーセラの家を販売しにいくと、総合ネットや比嘉先生のご指導を受けて発足する運びになりました。かい摘んでお話をさせてもらいましたがご質疑があればお受けいたします。
司会:
会場の方から何かご質問ありますでしょうか。
菱川さん、どうもありがとうございました。続きまして最後の発表となりますが、今度は研究という側面からセラミックスに関するアプローチを続けておりますEM研究機構の宮城様より「内燃機関へのセラミックスの応用」と題しまして、自動車関係の実証データ等をご説明していただきます。では宮城さん、お願いいたします。
宮城:
ただ今、ご紹介に預かりましたEM研究機構の宮城です。今回の発表は「自動車へのセラミックスの応用に関しての実証データや内燃機関に関する応用の可能性」の紹介をいたします。
はじめに、自動車及び内燃機関に関する簡単な歴史と現在の問題から話します。自動車の歴史ですが、ほんの150年前人類にとって自動車は見果てぬ夢でありました。
1860年、約140年前にフランスのルノワールが内燃機関の実用化に成功し自動車の試験運転に成功しました。これに刺激されたドイツ人のオットーは2サイクルエンジンと4サイクルエンジンの開発に成功し今日の高出力エンジンのスタートを切ることになります。ちなみに蒸気機関の発表は1765年ですから、今から約240年前にイギリス人のワットにより発明されその後、全盛期を作っています。
最初、自動車に搭載された動力源の多くは蒸気機関でした。しかし、蒸気機関は安全性、エンジン重量などで利用しにくいものでありました。自動車用機関としてガソリンを使うことに挑戦したのは、ドイツ人のダイムラーです。ダイムラーは1885年に小型軽量化を目指しオートバイ用ガソリンエンジンを発表しています。その後、ドイツ人のベンツ によって軽量化され馬力も向上しています。ダイムラー、ベンツによって開発されたガソリン機関は、その後の乗用車発展の基礎となり、フランス、イギリス、アメリカなどでも今日に通じるガソリンエンジン車の生産が始まりました。そして1913年、アメリカのフォードがベルトコンベアによる大量生産を開始し、以来、自動車は世界中に広がりました。
一方、ディーゼル機関は冷凍機会社の技術者として活躍していたドイツ人のディーゼルにより開発、研究が行われました。ディーゼル機関の開発は、最初、気圧が上がらず圧縮漏れや、負荷が高くなると黒煙が発生するという問題などがあり、1897年、約100年前に解決し実用化され高効率機関としての一歩を歩み始めたのでした。
その頃、日本ではフランス人が自動車を持参し日本に初めて自動車が登場しました。輸入に関しては1901年、丁度100年前、アメリカの蒸気自動車を輸入し東京銀座に展示と販売したのが最初です。日本では1907年、東京自動車製作所が国産のガソリン車第1号、「タクリー号」をつくりました。日本人の手による本格的な国産車の生産が始まったのは、1930年代で今から70年前です。
そして、今日 日本は自動車の輸出大国となり世界中で販売され日本車が走っています。
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この表は1997年度の日本の自動車工業の資料で「主要国の乗用車・トラック・バス生産台数の推移」です。1967年ごろ日本は四輪車生産世界2位です。1975年ごろ日本は四輪車輸出世界一になりました。1778年ごろ日本は四輪車生産世界一位となり、1990年ごろ国内の車の保有台数が6,000万台を突破しました。
単純に日本国民2人に1台の割合で保有していることになり、現在、日本国内では自動車による環境汚染が問題になっております。環境汚染の問題に関して、日本政府は平成13年度税制改正で自動車税のグリーン化案を固め、低公害車等は10?30%減税し、新車登録から11年を超えた車に10%増税する内容となりました。
現実の社会問題として、平成12年1月に兵庫県の尼崎公害訴訟で自動車の排気ガスに含まれるSPM(浮遊 粒子状 物質)による健康被害を認め、患者50人に損害賠償を認めました。さらに「1日平均で1k当たり0.15mgを超えるSPMが測定される大気汚染が測定される大気汚染を形成してはならない」として、差し止め請求の一部も認めています。
また、平成12年11月には、名古屋南部公害訴訟判決で排ガス差し止めを認め、国道を管理する国と企業に賠償するよう命じました。この判決は、東京大気汚染訴訟や今後の公害訴訟判決、全国各地の大気汚染地域への影響は必至です。ここでSPM(浮遊粒子状物質)について説明いたします。SPMとは、大気中に浮遊する直径10μm(μは100万分の1)以下の小さな粒子のことで、人体への影響が懸念されています。
人体への影響は、アレルギー症状、花粉症や肺への影響、ぜんそく、発ガン性の疑いが指摘されています。SPMの4割は、ディーゼル車の排気ガスが由来し中でも、直径2.5μm以下の細かい粒子(PM2.5)のほとんどは、ディーゼル自動車から排出されます。
全国平均で肺ガンによる死亡の9.2%がディーゼル車の排出する黒煙の微粒子が原因と財団法人結核予防会結核研究所と国立環境研究所などの統計で明かになっております。千葉市は最も高く19.3%で大都市周辺が高い死亡率をしめています。ちなみに沖縄は4.7%でした。歴史と現在の問題の次は、今回の試験について発表します。
黒煙試験報告書で「EM技術によるディーゼル車排気ガス黒煙抑制試験」について発表します。
試験の目的は、ディーゼル車の排気ガスの黒煙を第三機関に測定させ、EM技術を応用した処理により、排気ガスの黒煙が抑制できることを立証していくことです。試験方法は3パターンで測定しました。1パターンは「EM処理前」としてディーゼル車になにも手を加えない状態で排気ガスの黒煙を測定しコントロールとします。2パターンは「エンジンオイル交換後」としてエンジンルームのフラッシングを行いエンジンオイル交換をします。ついでにラジエータのクーラント交換も行い排気ガスの黒煙を測定しました。3パターンは「EM処理後」としてEM技術を応用した処理をして排ガスの黒煙測定をしました。
EM技術を応用した処理内容について説明します。
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図1は「EM技術を応用した処理」を表にまとめています。
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図2は「ディーゼル車へのEM資材投入」を車の絵を描いて投入の説明をしております。1はEM・Zをエンジンオイルへ投入です。2はEM・Zをラジエーターへ投入、3はEM・Zをバッテリーへ投入、4はEM・Zを燃料タンクへ投入、5はEM・Zセラミックスをラジエーターリザーバータンクへ投入、6はEM・Zセラミックスをバッテリーへ投入、7はEM・Zセラミックスを燃料タンクへ投入となっております。
測定項目は保安基準に準じ、車検時の黒煙を測定することにしました。 道路運送車両の、黒煙測定「保安基準第31条第15項」の解説を簡単にいたします。
私達は、車を維持するために車検を受けます。ディーゼル車などに多いですが黒い煙を出して道路にまき散らし廻りに迷惑をかけている車を見かけることがある。それらを車検時に排ガスの黒煙を測定し悪い物は、修理しないと車検が通らないように法律で規制しています。 排ガスの黒煙を測定する方法は、車検整備のできる工場で整備士により行われています。測定方法はマフラーの出口に、黒煙測定器の採取用ノズルを取り付け、アクセルを最高回転数まで上げ、その時の黒煙を白い、ろ紙を通して付着させ、汚れ具合を測定器で測り白い状態が0%で黒く汚れていくと100%に近づいていきます。3回繰り返し平均値を出す方法です。
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図3に「排ガスの黒煙保安基準」を表にしました。アイドリング状態から最高回転に加速し、3回測定した平均値をだします。今回の実験車は平成4年度登録で50%以下ならば合格の基準があります。
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図4は「排ガス黒煙測定結果」と言うことで試験結果です。
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図5、図6は「排ガス黒煙測定結果」をグラフにしました。EM処理前は52.67%、エンジンオイル交換後1は52.25%、エンジンオイル交換後2は46.67%、EM処理後は41.0%という結果となりました。
この結果から見えてくるのは、EM技術により排ガスの黒煙が抑制できたと言うことが言えます。約22%抑制できていますのでSPMも抑制された可能性があります。
今後の課題として、本試験では、国内で簡易的に測定できる排ガスの黒煙を測定したが、今後は専門機関による本格的な測定を行い、NOx(窒素酸化物) や CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)の測定を行い検討していく必要があると思われます。
次に「自動車に関する応用の可能性の紹介」を行います。現在、手がけている製品、試作品などを写真で紹介いたします。
EM・Zセラミックス排ガス用触媒です。内部は小さな沢山の空洞がありハニカム構造になっています。この触媒を使用した実験ですが、アメリカ、カルフォルニア大学のアンドリュー・バーク博士が行っております。CO2(二酸化炭素)、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物) 、HC(炭化水素)総てにおいて抑制効果が表れたと聞いています。
EM・Zセラミックスフィルターバス用です。
EM・Zセラミックス燃料フィルターをトラックに取り付けた状態です。
塗料に対するEMの実験ですが、EM・Zと酸化チタンを利用して船舶塗料への応用実験の風景です。
これで私の発表を終わらせていただきます。ご静聴有り難うございました。
司会:
会場の皆さまから何かご質問はございませんでしょうか。
質問者2:
低公害車を買いましたが、それにもやはりEM−Zは使用した方がいいでしょうか。
宮城:
そうですね。いろんなものが抑制されますので、バッテリーの寿命効果とか、ラジエーターで酸化して赤サビが出てきて目詰まりとか起こすのですが、EM−Zにより抑制効果も得られますので、いろいろ使用出来ると思います。
質問者3:
ガソリン車で燃費が下がると聞いたのですが、燃費はどんなふうですか。教えてください。
宮城:
燃費に関しては、車との相性があり、非常に効果があり伸びた車もあれば、変わらない車もありますので、どうなっているかというデータが必要になっております。まだまだ追究して行きたいと思います。EM-Zは、悪い方向には行かないですから、自己責任で試されるというのが現状です。
質問者4:
タイヤに入れるという話も聞いたことあるんですが、何か可能性があるのでしょうか?
宮城:
タイヤに入れるのは、タイヤの中は空気とゴムが接触して酸化していくということがありますので、EM-Zは抗酸化物質ですので酸化抑制で、タイヤの空気の中にもEM-Zを入れた方がいい、ということです。
司会:
時間の方も大分過ぎておりますので、本日は4人のパネラーの方から、基本的性状と活用事例、さらに応用の可能性としてご説明をいただきました。
時間の都合上、細かな部分までの説明にはいたらなかったと思いますが、取り組みの一端ということはご理解いただけたのではないかと思います。
最後になりますが、本日発表をいただいた4人のパネラーの方々への拍手を持って、閉会とさせていただきます。