国家間の約束は守らず、すべてを自国に都合のいいように解釈・改竄し、国際社会ばかりか自国民さえ騙し続ける中国である。これを茶番と言わず、何と言うのだろうか。
いまも生きている毛沢東戦術
尖閣諸島に向かう中国の漁船団〔AFPBB News〕
中国が核・ミサイルを開発(1964年)し、国連機関が東シナ海の海底資源調査結果を報告(1968年)したあたりから中国は尖閣諸島に関心を持ち始めたが、日中国交正常化交渉(1972年)では、「現状維持」で合意(日本側の理解は、領有権は当然日本にあるという認識)した。
尖閣諸島は無人島ではあるが日本の施政権下にあり、日米同盟下で強力な米軍もおり日本が実効支配していたからである。
その後の日中友好条約締結(1978年)で来日した鄧小平副総理は、記者会見で「次の世代は我々より賢くなるだろう。その時は必ずや、お互いに受け入れられる良い方法見つけることができるだろう」と語ったとされる。
この文言を以って、中国は日本も「棚上げ」に合意していたと主張する。
領有権主張を隠すための言葉の巧みな綾だったかもしれない。そのような含意があり、万一にも「棚上げ」で合意したというのであれば、そもそも中国が1992年に領有権を主張し始め、一方的に自国領に組み込んだことは大きな矛盾である。
力の差があって太刀打ちできない時は「棚上げ」で退くように見せかけて相手を油断させ、力をつけた段階で自らの提案を忘れたかのようにして自分のものにしてしまう。毛沢東戦術にいう「敵進我退、敵退我進」そのものである。
日中中間線近傍の白樺ガス田など、大陸棚が続いていると見られたものについては日中が協同開発を行うことで合意していた。しかし、ここでも合意を無視するように勝手に作業を進めておきながら、あたかも日本に非があるかのように言い募る。これが中国流である。
日本は政府開発援助(ODA)で造った物件には日本の支援で完成したことを明示するように注文しているが、実行されていないと聞く。
中国はこうした支援で道路を建設し、空港を造り、港湾を整備して今日につながる発展の礎を築いてきた。そして今や日本に種々の形で脅威を与えている。平和外交の失敗であることは言うまでもない。
日本の対処:違法を徹底的に取り締まれ
軍事力を正面に出すことをよしとしない日本は、日米同盟と価値観を同じにする諸国との紐帯を強める外交で対処する以外にない。
過日、某テレビ局が無資格中国人ガイドとそれにつるんだ違法免税店の存在、さらには高額のオプション・ツアーをふんだんに入れ、参加しない人を放りだして面倒を見ないなどの内容で、参加したツアー客は日本に騙された、詐欺だと非難の声を挙げ、悪いイメージが広がっているという特集をしていた。
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