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【Web講座】ロジカルライティング入門

第1回 ワンメッセージにこだわる

渡辺 パコ(わたなべ・ぱこ)
(株)水族館文庫代表取締役、経営コンサルタント

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【column】コピーライターの基本
「ほかの商品に差し替えても通用するコピーは書くな」

 毎回最終ページでは、僕が書く技術を学んだり、身につける過程で気づいたこと、教えられたことを【column】として書いていきます。文体も、本文の内容とは変えましょう。

 僕は大学を出てから、コピーライターとして広告業界で15年ぐらい仕事をしてきました。コピーライターの卵として仕事を始め、最初に教えられたのが、これです。

「ほかの商品に差し替えても通用するコピーは書くな」

 広告コピーを書くときに、商品名や社名を取り替えても同じ内容で問題なく読めてしまうなら、それは広告ではない、というわけです。例えば、

「毎日が充実する仕事です」
「あなたにぴったりの仕事です」

 僕は最初、求人広告を書いていたので、こういうタイプのコピーをたくさん見たわけですが、先輩からこういうコピーはダメ、と教えられました。社名や仕事を取り替えても、言えてしまうからです。逆に、

「雨の日にも、最寄り駅から濡れずに出勤できる」
「毎日新しいことが起こる仕事」

 というのは、よいコピーです。どちらも、それに該当する仕事はほかにないか、ごく限定されるからです。メッセージとは、そのとき、その場面で固有のもので、一回性なのです。

◇   ◇   ◇

渡辺 パコ(わたなべ・ぱこ)

(株)水族館文庫代表取締役、経営コンサルタント。

1960年生まれ、学習院大学哲学科卒業。コピーライターとして広告、会社案内の制作、PR戦略の企画立案などを担当。その後、ベンチャービジネスのインキュベーションに関わり、その業務経験をもとに、コンサルティング、研修に業務を展開する。 グロービス・マネジメント・スクール講師(クリティカル・シンキングクラス担当)、日本工業大学専門職大学院客員教授、デジタルハリウッド大学非常勤講師。NPO法人環境リレーションズ研究所・監事。2009年より<おとなの社会科>セミナーを開催。著書に『はじめてのロジカルシンキング』『はじめてのロジカル問題解決』『論理力を鍛えるトレーニングブック』『環境経営の教科書』などがある。

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