アスベスト:元准看護師、石綿労災認定 「手袋の粉吸引で」−−山口労基署

毎日新聞 2012年08月27日 東京夕刊

 ◇癒着防止「タルク」に混入

 山口県防府市の元准看護師、河村三枝さん(52)が中皮腫になったのは、病院で手術用のゴム手袋にまぶしていた粉末「タルク」に混入していたアスベスト(石綿)が原因だとして、山口労働基準監督署が先月、労災認定していたことが分かった。医療現場での作業を原因とする看護師・准看護師の石綿労災認定は初めて。外科や産婦人科などの現場では、かつてゴム手袋の再利用時にタルクが広く使われており、被害が拡大する可能性がある。【大島秀利】

 河村さんの労災補償請求を受け、厚生労働省で専門家らが協議し、同署が判断した。

 河村さんは一昨年2月、中皮腫と診断された。石綿との接点が分からなかったが、「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」の古川和子会長が調査した結果、河村さんが81年から約5年勤務した産婦人科医院で、医師や助産師らの手術用手袋を洗って乾燥させた後、袋の中に入れてタルクをまぶしており、その粉が漂っていたことが分かった。作業は1週間に1、2回あり、その際に石綿を吸い込んだとみられる。

 大阪府内の外科医によると、約20年前まで多くの外科系の医療現場では、手術用手袋を洗浄した後にタルクをまぶして再利用していたという。ゴムの癒着防止などのためだった。現在は手袋を再利用していない。タルクが原因とみられる石綿関連疾患による労災認定は、ゴム製品製造の従事者や歯科技工士など全国で約15例ある。

 河村さんは「原因がはっきりし、一つの道が作れてうれしい。同じような作業をしていた人たちに知って注意してほしい」と話した。

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 ■ことば

 ◇タルク

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