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最終更新:2012年10月8日(月) 21時4分

フレスコ画女性「まだ描き終わってない」

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 忘れろと言っても忘れられない絵・・・スペインの教会にあった19世紀のフレスコ画を地元のおばあさんが似ても似つかないものに修復してしまいました。あの騒動が起きてから初めて、渦中のおばあさんが私たちの取材に応じました。

 スペイン北東部のボルハ村。人口およそ5000人の静かな村の教会に観光客が続々と押し寄せています。事の発端は今年8月、教会にある100年以上前のキリストの肖像画が似ても似つかないものに修復されてしまったことです。

 この絵に変身させたのは、近所に住むセシリアさん(81)。

 「絵が崩れてきていたので修復したのよ」(セシリアさん 今年8月)

 教会から修復を頼まれたというセシリアさん。この問題が報じられるとたちまち世界中で話題となり、逆にセシリアさんの絵が一躍大人気となったのです。最近、絵は透明な板で保護され、先月半ばから村は教会の入場料を取るようになりました。さらに、今月6日からは1枚12ユーロの宝くじまで売られています。初日だけで300枚以上が売れたといいます。

Q.当たるといくらもらえる?
 「えーっと・・・いくらだっけ?」(教会関係者)

 「歴史的な絵を台無しにした」と批判されたセシリアさん。最近、この絵について自らの著作権を主張していると報じられました。今、本人はどんな思いを抱えているのか・・・メディアの前から姿を消していたセシリアさんの家を訪ねました。このところ、体調を崩しているといいますが、窓から顔を出したセシリアさん。私たちの取材に応じてくれました。

Q.村の人たちも満足してる?
 「ええ、ええ。でもまだ全部描き終わったわけじゃないですけど・・・」(セシリアさん)

 著作権を主張しているのかと聞くと・・・

 「いいえ、いいえ。私は権利のことなんて言ってい^$;$s!W
Q.全部、セシリアさんのおかげ?
 「私の絵がなければ何にも収入にならなかったでしょう」(セシリアさん)

 騒ぎから1か月半で観光客は3万2000人に達したといいます。絵を修復したセシリアさんの家からほど近い食品店では、先週からおばあさんの絵に微妙に似せたラベルがはられたワインが売り出されています。店のカウンターに並べられたワインの名前は「エッセホモ」。これはフレスコ画の名前です。ラベルの絵は、著作権の問題を気にしたのか、本物ともセシリアさんの絵とも微妙に違います。

 「よく売れてますよ。飲む人もいるけど、栓を開けないでとっておく人もいますよ」(食料品店店主)

 村は現在、歴史的なフレスコ画の再修復を検討していますが、もたらされた経済効果は大きく、その動きは鈍いものとなっています。(08日15:31)

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