2012年10月4日(木)

偏差値が上がる節約、下がる節約

プレジデントFamily 2012年11月号

ファイナンシャルプランナー 小山信康 構成=高橋晴美
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一番大切なのは「上手な使い方」

お金の使い方は子供に伝染します。私は学生時代、初めてのアルバイトで得たお金を全額、両親へのプレゼントに充て、大目玉を食らいました。一生懸命働いて得た報酬を無駄遣いしたと言われたのです。就職後ならともかく、学生には学生なりの使い方がある、と考えたのでしょう。今なら親が私に教えたかったことがよくわかります。

国民年金の保険料や給食費を払わないなど、義務を怠る節約は言語道断ですし、公共の場でモバイル機器の充電をするといった犯罪まがいの節約もすべきではありません。

外食をするにしても、お母さんが節約疲れしたための外食は「無駄遣い」ですが、家族でゆっくり楽しむための外食なら、子供は「上手なお金の使い方」を身に付けられると思います。

自治体の広報誌(市報など)には、子供のスポーツ教室やカルチャー教室など、無料や安価で利用できるイベント、施設などの情報が掲載されることがあります。そういった情報を集めて参加することも、子供のためになる、「意味のある節約」です。

子供と一緒に、時には夫婦でお風呂に入るのも、ガス代を節約しながら時間を共有できるなど、相乗効果のある節約です。

私には小学校2年生と幼稚園の子供がいます。小学校でPTAの副会長を務めていますが、パート勤めで忙しいという理由から、役員をやりたがらないお母さんが多いのには驚きました。

全国の高校に奨学金をテーマにしたセミナー講師として伺う機会も多いのですが、学力の高い学校ほど、多くの保護者が参加され、偏差値の高い学校ほどPTAの役員が決まるのも早いと聞きます。皆さん働いていても、ほんの少し効率を高めるなど、うまく時間のやりくりをして学校の仕事に取り組むという方が多いそうです。

自分がPTA活動をして思うことですが、学校の様子もわかりますし、親同士が情報交換できる貴重な場でもあります。

また、こうした親の姿を見せることで子供も学校とのかかわり方を感じ取り、親子で学校のお手伝いをするようになれば、自然と学校もいい方向に変わっていくはず。目先の収入だけではなく、時間を上手にやりくりして子供の学校に積極的にかかわる。長い目で見れば、教育にもいい影響があると思います。

幸せを削ってお金を増やしても仕方がありません。家族が幸せになる節約を心掛けましょう。

節約、またお金をどう使うかにも、クリエーティブな発想が求められます。

ファイナンシャルプランナー 小山信康
FP事務所フライフ・アレンジメント代表。CFP。教育資金アドバイザー。『やってはいけない節約』『貯金のできる人できない人』『お金持ちは2度「カネ」を生かす!』など著書多数。

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