わずか2年…老親の預貯金2000万円はなぜ底をついたのか (4/8ページ)

2012.8.26 13:30

証拠調査士平塚俊樹メーカーのクレーム処理担当等を経て2004年より企業・弁護士等を対象に危機管理コンサルティング。著書に『Lawより証拠』ほか。

証拠調査士平塚俊樹メーカーのクレーム処理担当等を経て2004年より企業・弁護士等を対象に危機管理コンサルティング。著書に『Lawより証拠』ほか。【拡大】

 その次に見つけた有料の住居型老人ホームも月50万円。ようやく事の重大さを悟った姉夫婦が奔走、月35万円の老人ホームを探し出した。

 「姉と連絡を取って、母親を『旅行だ』と騙して連れていきました」

 しかし、健康保険だけで2人で月5万円、住民税が3カ月に一度、約5万円も支払わねばならず、そこに医者の治療代や生活費も加わった。一児を持つ平塚氏の妻の病気入院も重なった。

 「僕が約300万円持ち出しました。いまだに借金が残ってます」

 その後、姉が苦労のすえ嫁ぎ先の地元の特別養護老人ホームでようやく空きを見つけた。が、「地元住民である」ことを示さなければ特養には入れない。そこで、姉が嫁ぎ先の実家にいったん父親を住まわせ、そこから特養に通わせる“儀式”を経てようやくそこに落ち着いた。

 「母についても同様の儀式をやってから、同じ特養に入れた。向こうの実家には本当に迷惑をかけました」

その間に、両親の預貯金2000万円を使い果たした