2011年9月14日(水)

「絶対入ってはいけない」老人ホームの見分け方

「頼れる介護施設、危ない施設」見分け方、教えます【4】

PRESIDENT 2011年1月3日号

著者
中村 聡樹 
医療・介護ジャーナリスト

1960年、兵庫県生まれ。中央大学経済学部卒業後、行政専門誌記者を経てフリーに。90年代から介護・福祉関連の取材・執筆を精力的に行う。著書に『図解 介護保険のサービス内容・料金早わかりガイド』『ゼロからの介護』『年金でもできる海外ふたり暮らし』シリーズなど。

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ジャーナリスト 中村聡樹=文 永井 浩=撮影
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こんなホームは要注意!
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こんなホームは要注意!

老人ホーム選びは、自分の目で確かめる以外に答えを見つける方法はない。結局、本人が納得できるかどうかなのだが、判断を導きだす「着目点」に関しては、以下のように整理することができる。

有料老人ホームでは体験入居のシステムが用意されている場合が多い。通常、2泊3日コースが一般的であるが、「体験入居は最低でも5日間は必要」だと、依田平、片山ます江両氏は口を揃える。その真意は、短期間の体験入居では、施設側が準備したプログラムを消化するだけで、本当の姿を知ることができないからだ。

例えば、すでに入居している利用者たちが、遠巻きに眺めていた体験入居者に声をかけてくるのは大体3日目以降で、そこで、初めて施設に対する不満の声に接することができる。入居者に対する個別対応の中身を知るうえでも、実際の利用者の声は重要な判断材料となる。コミュニケーションがとれれば、入居者の部屋を見せてもらうことも可能になる。

「居室が清潔に保たれているかをチェックするのは当たり前ですが、入居者が大切にしている植物などの世話もきちんとされているかを見ておくべきです。命あるものへの姿勢は重要です」と片山氏。

スタッフの笑顔は施設の状況を知るバロメーターとよく言われるが、おそらく短期間の入居では営業スマイルとの出会いしかない。時間に追われて厳しい労働を繰り返しているスタッフが、それでも生き生きとして働くことができる職場かどうかを知るにはやはり時間が必要である。

体験入居期間中にチェックすべき項目は、このほかに、スタッフ控え室などのバックヤードの整理整頓状況、時には、調理場の冷蔵庫の中も見せてもらうくらいの貪欲さがあってよい。さらに、施設長や管理者などから説明を受けるだけでなく、現場スタッフ、夜勤スタッフ、清掃スタッフなどからの聞き取りも、現場を知る大切な情報になる。

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