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山中・京大教授にノーベル賞 iPS細胞の作製

2012/10/8 18:34 (2012/10/8 20:18更新)
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ノーベル生理学・医学賞に決まり、野田首相から祝福の電話を受ける山中京大教授(8日、京都市左京区)
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ノーベル生理学・医学賞に決まり、野田首相から祝福の電話を受ける山中京大教授(8日、京都市左京区)

 【パリ=竹内康雄】スウェーデンのカロリンスカ研究所は8日、2012年のノーベル生理学・医学賞を、生物のあらゆる細胞に成長できるiPS細胞を初めて作製した京都大学教授の山中伸弥iPS細胞研究所長(50)と、ジョン・ガードン英ケンブリッジ大名誉教授(79)の2人に贈ると発表した。

 日本人のノーベル賞受賞は10年に化学賞を受けた根岸英一・米パデュー大学特別教授と鈴木章・北海道大学名誉教授以来2年ぶり。生理学・医学賞では1987年の利根川進・理化学研究所脳科学総合研究センター長以来2人目となる。

 授賞理由について、同研究所は声明で「細胞や器官の進化に関する我々の理解に革命を起こした」と説明した。山中教授は、成熟した細胞が様々な細胞になり得る受精卵のような状態に簡単に戻ることを見つけた。

 受賞決定後に京都大学で会見した山中教授は「さらにこれから研究を続け、1日でも早く医学に応用しなければならないという気持ちでいっぱいだ」と語った。

 山中教授は06年に世界で初めてマウスの皮膚細胞からiPS細胞を作った。万能細胞と呼ばれ、世界を驚かせた。07年には人間でも作製に成功した。

 従来の万能細胞である胚(はい)性幹細胞(ES細胞)が受精卵を壊して作るのに対し、iPS細胞は4つの遺伝子を皮膚など体の細胞に入れるだけでできる。生命倫理の問題も回避でき、生命科学や医療応用が広がると期待されている。

 心臓の筋肉や膵臓(すいぞう)、神経の細胞など様々な細胞に成長できるため、病気やケガで損なわれた臓器を修復する再生医療への応用が見込まれている。患者本人の細胞から作れば、拒絶反応も少ない。

 現代の医学では治療できない難病患者の皮膚などからiPS細胞を作って詳しく調べれば、病気の原因解明や新たな治療法開発につながる可能性も高く、産学連携で研究が始まった。新薬の開発で、実験動物の代わりに薬効や副作用を調べる材料としても使える。

 山中教授の報告以降、世界中の研究者がこぞってiPS細胞研究に参入し、研究開発競争が激しくなっている。遺伝子を2~3個に減らしても作製可能になった。サルの実験だが、iPS細胞が脊髄損傷や脳疾患のパーキンソン病の治療に役立ったとする成果も相次いで報告されている。文部科学省などが多額の研究予算を投入し、研究推進に力を入れている。

 共同受賞するガードン氏は英国籍。英ケンブリッジ大にあるガードン研究所の責任者で、がん研究などを進めている。ガードン氏は62年にカエルを使い、基礎的なクローンの作製に成功した。

 授賞式は12月10日にストックホルムで開く。賞金は800万クローナ(約9500万円)は、両受賞者は半分ずつ受け取る。

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