10月8日 朝日新聞22面より
「大統領選と宗教」
<引用開始>
米大統領選では、宗教的な価値観が常に重要な争点となる。今回は、オバマ大統領に挑む共和党のロムニー候補がモルモン教徒であることも話題だ。米国政治の歴史と現代をひもとくと「神」と強く結びついた国の姿が見えてくる。
<引用終了>
大統領選と就任スピーチの時にだけ登場するアメリカの「神」は、キリスト教の「神」ではない。ユダヤ教が分母にある「ユダヤキリスト教」の「神」なのである。
<引用開始>
米国の宗教
建国の祖とされるピルグリム・ファーザーズは、プロテスタントの一派であるピューリタン(清教徒)だった。英国国教会の迫害を逃れ、理想的なキリスト教社会を築こうと北米大陸に渡った。現在も国民の5〜6割がプロテスタントで、カトリックが25%ほど、ユダヤ教、モルモン教を含め、聖書を信仰する人々が大多数を占める。
<引用終了>
前段のピューリタンに関する部分はその通りではある。しかしながら、現在のアメリカ社会のキリスト教に対する朝日新聞の見方は間違っている。
少しだけ考えて欲しい。「聖書を信仰する人」の意味がよく分からないが、アメリカ人の「大多数」が日曜礼拝に臨んでいるのか。
ニューヨークの人口、約1900万人の「大多数」が日曜礼拝に臨んでいるのか。そんな施設があるのか。
私がキリスト教関係者から聞いた話では、「公表」の10分の1以下であるとのことであった。
アメリカ人であることには、二つの要件が課せられると私は解釈している。
一つは「反ナチス」であることである。アメリカに入国した人なら誰もが「私は親ナチスではない」という入国カードにサインした覚えがあるはずだ。
もう一つは、司法において「聖書に手を置き宣誓する」ということである。もちろん、アメリカは自由の国であり、宗教の自由は認められている。それでも、国全体の「タガ」を考えた場合、キリスト教の「タガ」を外すことは決してできない国なのである。
アメリカ国民は、4年に1度の大統領選という大イベントで「我こそはアメリカ国民なり」と自分の存在意義を確認するのである。
前述のピューリタンに話を戻す。彼らは「理想的なキリスト教社会を築こうと北米大陸に渡った」のである。
その大前提は、ユダヤ人により壊滅状態に破壊された。今、アメリカのどの部分を分析しても、建国の祖の思想はまったく見受けられない。
つまり、アメリカは、理論上とっくの昔に破綻しているのである。ピューリタンの精神に反し、読売的エゴイズム容認主義を掲げるアメリカに大いなる未来はない。
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