首相 除染迅速化で新たな対策指示10月7日 19時16分
野田総理大臣は、7日、東京電力福島第一原子力発電所などを視察したあと、記者団に対し、「放射性物質を取り除く除染が福島再生の基盤だ」として、除染の迅速化などを図るための新たな対策を早急にまとめるよう、長浜環境大臣に指示したことを明らかにしました。
野田総理大臣は、去年9月に続いて、7日、就任後2回目となる東京電力福島第一原子力発電所の視察を行いました。
野田総理大臣は、事故の収束に向けた対応に当たっているおよそ200人の作業員を前に、「福島の再生なくして日本の再生はない。廃炉に向けた取り組みに、一層の努力をお願いします」と述べました。
そして、野田総理大臣は、防護服を着用して、去年3月に水素爆発を起こした4号機の原子炉建屋の中に初めて入り、屋上に上がって、使用済み核燃料の取り出しに向けた準備作業などについて、東京電力側から説明を受けました。
また、野田総理大臣は、1号機と2号機の中央制御室を訪れ、事故直後の状況を再現するため、明かりを消し、懐中電灯だけの状態で、当時の様子の説明を受けました。
このあと、野田総理大臣は、福島県楢葉町を訪れ、小学校での除染作業や除染で出る土などを保管する仮置き場を視察しました。
視察のあと、野田総理大臣は記者団に対し、「廃炉に向かって着実に進んでいることを実感できたが、廃炉への道のりはまだまだ長い。最後の最後まで緊張感を持って対応しなければならない」と述べました。
そのうえで野田総理大臣は、「福島の復興、再生の基盤となるのは除染だ。除染をよりスピードアップしなければいけない」と述べ、▽環境省の出先機関である「福島環境再生事務所」に権限を委譲し、除染作業を迅速化することや、▽除染の進捗(しんちょく)状況を住民に情報提供することなどを盛り込んだ新たな対策を早急にまとめるよう、長浜環境大臣に指示したことを明らかにしました。
さらに、野田総理大臣は、福島県本宮市を訪れ、出荷前のすべてのコメ袋を対象に、放射性物質を調べる検査の様子を視察しました。
野田総理大臣は、福島県産のコメを使って、地元の農家の女性が握ったおにぎりを試食し、「とてもおいしいです。おいしいコメを丹精こめて作っていただき、こうして安全確認が行われていることが分かりました。総理大臣官邸では、福島県産のコメを食べています」などと話しかけていました。
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