錫とは・・・
 錫はスズ石という鉱石を炭素などで還元、電気分解をしてつくられます。融点
 が231.9℃と低く外観が美しいため青銅器時代から利用されてきました。ま
 た柔らかく外力によって変形しやすいので他の金属との合金になることが多
 かった。例としては 青銅(スズと銅)、ブリキ(鋼板にスズメッキ)、はんだ(錫
 に鉛)などがあります。また低温に弱く(金属の結晶が変化を起こす転移温度
 が13.2℃)ロシアなどの極寒地では不向きな金属でもあります。低い温度で
 溶かすことができ、柔らかく、磨くと美しい銀色を得られるため個人でも家庭
 で簡単に加工できる金属です。工芸学校の生徒の利用も多いようです。また
 錫の最大のメリットは傷つけたり、失敗しても簡単に溶かしてまた再生できる
 という点です。

  水の浄化作用
科学的な根拠は定かではありませんが錫器に入れた水は「何日も腐らない」「おいしくなる」などと昔から言わ
れています。中国の水質の悪かった地方では水をきれいにするために井戸に錫を沈めていたり、錫器で水
を飲んでいたことが多かったという話や、日本の皇室では代々お酒を楽しむ際、錫製の酒器(とっくりなど)に
日本酒を注ぎ少し寝かせてからお飲みになっているそうです。また日本料理店などでも錫製の酒器は重宝
されていて、熱燗にする際錫は熱伝導率が高いのでお湯に30〜40秒つけるだけで適温になり、そのお酒
を飲んだ人の大半が「味がまろやかだ」という感想を持つそうです。錫製の茶器でも「あまくなる」「香りが持
続する」などという感想が多いです。
 余談ですが、NHKの「お江戸でござる」のセット内にある茶ダンスにあるとっくりは実は錫製で、江戸時代
の錫には鉛が多く含まれていた(製錬技術が発達していなかった)ため灰色になっています。また有名なレ
オナルド・ダ・ビンチの「最後の晩餐」に描かれている食器は錫製だったということが最近の調査で判明し
ました。

            ルーツ

日本 
 原料となるスズ石の埋蔵量が少ないため(近畿、九州地方
 の一部では採取されていた)国内では高価な金属でした。
 薩摩藩では技術者を養成して茶道具などを生産していまし
 た。しかし錫は融点が低い、柔らかいという錫の性質上火
 事や変形によってこの時代の多くの錫製品は失われ、よい
 手本が現存されにくいため「技」の伝承が困難でした。今日
 では東南アジアから良質の錫が供給されるようになり、昔
 からの錫工芸に加えキーホルダー、アクセサリーなどの工
 業的な大量生産も可能になりました。


西洋
 錫器の生産は紀元前からあって、儀式で使う銀製の聖杯
 を買えなかった貧しい教会では代わりに錫製の物が使わ
 れていたり、水を浄化するために使われていました。しか
 しイギリスの産業革命以後、錫に変わる材料の生産が容
 易に可能になって錫製品の需要は減っていきました。
 近年では錫製品の良さが見直され、有名な生産地にはヨ
 ーロッパを代表する会社があるベルギーと、イギリスのシ
 ェフィールドがあります。飾り皿や置物、民芸品の生産が
 多いです。
 

 
製造方法

 
錫製品の製造方法には
工芸色の強い「挽き物」
工業色の強い「キャスト」
「砂型鋳造」
「スピニングマシーン工法」
などがあります。
 
         「 挽き物 」 は
   錫(含有量95%以上の物が多い)
   を鋳型に流し込み、固まった物を
   ろくろで回して削っていく方法。
   主に、酒器や茶道具に用いられ
   る製法です。

         「キャスト」 は
   錫(含有量95%以下の物が多い)
   をゴム型による遠心鋳造によって
   成形する方法。
   主に、婦人アクセサリーや置物、
   キーホルダーなど量産品に多い
   製法です。表面にメッキ加工する
   事もあります。

注目されるべき金属
錫は昔から表面に酸化膜ができて光沢が失われたり、
傷ついたりすると、その製品を溶かしてまた別の製品に
再生させる。という行程を経てきました。
これは現在盛んに行われている「資源のリサイクル」の
ことではないでしょうか。
「錫」は他の金属に押されてマイナーな存在ですが
まだまだ色々な可能性を持った金属です。

協力:オクダ東錫(奥田 幸雄氏)
 

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