仮契約の翌日、早速練習に合流した牟田=トヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスに来季新加入する福岡大DF牟田雄祐(22)が今季中のJ1リーグ戦に出場できる可能性が浮上した。グランパスは7日、Jリーグの公式戦にも出場できるようになる「JFA・Jリーグ特別指定選手制度」を日本サッカー協会に申請する方針を固めた。牟田は仮契約の翌日となったこの日、グランパスの練習に早くも合流し、早速DF闘莉王から直接指導を受けた。同制度の申請は、牟田の飽くなき向上心にクラブ側が応えた形だ。
黄金ルーキーの行動は、誰よりも早かった。6日に名古屋市内のホテルで仮契約を行ったばかりの牟田が、その翌日、グランパスの練習場で若手選手たちに混じってフルメニューを消化。7対7のミニゲームでもキレのある動きを見せ、「加入が決まってないのと決まっているのとでは、練習に臨む上でも違う。本当にここでやるんだという決意を持って練習した」と、汗を拭った。
さらにそれを見守っていた闘莉王から1対1の守備の対応を習うなど、公言していた通りに早くも“闘莉王塾”に入門。「教えてもらってすごく身になる。まだまだ足りないところもたくさんあるので」と笑顔で話した。今回は1日だけの練習参加だったが、来週以降も随時予定を合わせて合流する予定だ。
そんな牟田の積極性に応えるべく、クラブもウルトラCプランを用意した。特別指定選手制度による公式戦出場だ。有望学生をレベルの高い環境で育成することが目的の、いわばインターンシップのような同制度。ただ近年他クラブでは新人獲得につなげる“青田買い”的要素が強く、グランパスは積極的に利用していない。逆に、新加入が決まった後に特別指定で受け入れるのは、Jリーグでも異例の措置。久米GMが「より早くプロのレベルに慣れてもらうため」と話すように、むしろ本来の目的には近い。
申請が認められた場合、出場できるのは残り6試合となったリーグ戦のみ。天皇杯はすでに福岡大のメンバーとして2試合に出場しているため、登録できない。大学の公式戦との掛け持ちになるが、福岡大の乾監督も「本人が来季開幕を意識して準備できるようにしてあげたい」と話しており、三者はすでに合意済み。目標とする来季開幕スタメンに向け、黄金ルーキーに英才教育が施される。 (宮崎厚志)
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