日本Sへの“大義名分”消えた鷹
2012年10月03日 11時27分
ソフトバンクは2日の楽天戦に0—2で敗れて、その差を2・5ゲームに縮められた。
絶対に勝ちたい試合だった。試合前の段階で2試合を残して、楽天との対戦成績は9勝11敗2分け。ほかのパ・リーグ球団にはすでに勝ち越しをきめている。それだけに鷹ナインは「なんとか五分に戻して負け越しているチームをなくして、シーズンを終えたい」。
というのも、全球団勝ち越し成し遂げることを、CS出場の大義名分にしたかったからだ。「うちが唯一パ・リーグ全球団に(五割もしくは)勝ち越しているチームとなれば、日本シリーズに出る権利は十分にあると思う」(チーム関係者)
ソフトバンクは04年、05年は1位通過しながらプレーオフで敗れ、当時のルールで優勝にならなかった。一昨季もCSで下克上を決められた3位・ロッテが日本一になったため、限りなくカゲが薄い優勝となった。
そんな経緯があるだけに「正直いえば日本シリーズに出るべきは優勝チームだと思う」(チーム関係者)。チーム内にはいまだに下克上は“邪道”という見方がある。それを乗り越えるための“材料”が全球団勝ち越しだ。
しかし、この日の黒星で、楽天へのシーズン勝ち越しは消滅。秋山ホークスは大きな“自己矛盾”を抱えながら、CSでの“成り上がり”を目指さなければならなくなった。