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ガンダム演出家のパソコンから遠隔操作か

 大阪市にうその殺人予告メールが送られた事件で、業務妨害罪で起訴されたアニメ演出家北村真咲被告(42)に何者かが成り済ました疑いが浮上し、大阪地検が北村さんの勾留取り消しを請求し、先月に釈放していたことが7日、分かった。また、インターネット掲示板に伊勢神宮の破壊を予告する書き込みをしたとして、三重県警が先月に威力業務妨害容疑で逮捕した無職男性(28)もこの日、処分保留で釈放。両事件とも、第三者によるパソコン遠隔操作の可能性がある。

 大阪府警捜査1課は、北村さんのパソコンに、第三者が遠隔操作してホームページに書き込めるプログラムが存在していたことを確認した。補充捜査が必要と判断し、北村さんを釈放した。このプログラムを発見したきっかけは、三重県警の捜査だった。無職男性のパソコンを調べる過程で、特定のファイル名の遠隔操作プログラムを発見。北村さんのパソコンにも同じプログラムがあったという。

 府警はプログラムの復元・解析を終えており、三重の事件と同一人物が作成に関与した可能性もあるとみて、今後、実際に成り済ましが可能か再現した上で、不正指令電磁的記録作成容疑の適用も視野に調べる方針。大阪の事件は7月に書き込みがあり、府警が捜査を開始。「機動戦士ガンダム00(ダブルオー)」の助監督としても知られる北村さんは、任意の聴取から一貫して「身に覚えがない」と否認していた。

 インターネットが発達した現代社会では、誰もが身に覚えのない犯罪の容疑者に仕立てられる可能性があることが、浮き彫りになった。捜査機関はこれまで、送信したIPアドレス(識別番号)などから発信者を割り出してきた。しかし、持ち主が知らない間に不正なプログラムを埋め込まれ、他人に遠隔操作されれば、それまでの捜査手法が通用しなくなる。

 専門家によると、4~5年前から他人のパソコンを遠隔操作する「ボット」と呼ばれるウイルスの存在が指摘されていた。大阪や三重のケースとの関連は不明だが、予期しないうちにパソコンが乗っ取られる危険性は決して目新しい話ではないという。

 森井昌克神戸大教授(情報通信工学)は「専門家の間ではボットへの危機感があった。これまで犯罪にまで発展しなかったのが、むしろ幸運だったぐらいだ」と話した。

 [2012年10月8日9時15分 紙面から]





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