'12/10/7
佐伯区PR 景弘くん奮闘
平安時代の厳島神社神主、佐伯景弘を題材にしたまちおこしが、ゆかりの広島市佐伯区で熱を帯びている。五日市商工会や市が、独自のキャラクターを使った商品のブランド化やイベント企画を続ける。NHK大河ドラマ「平清盛」放送に合わせ、区の知名度向上を図る。
市から区内の観光振興事業を受託する商工会は昨年末、区のイメージキャラクター「さえき景弘くん」を作った。会員企業が商品にイラスト入りシールを貼って販売する。
商工会の「清盛・景弘プロジェクト委員会」の浜崎義治委員長(52)は「商品を佐伯区ブランド化する好機」と話す。9月には「景弘交流会」を初開催。会場にはイラスト入り看板やのぼりが並び、乳製品やこんにゃくを売るコーナーに多くの人が訪れた。
佐伯家は代々、佐伯郡司を務め、区内に拠点があったと推測される。厳島神社の海上社殿造営で清盛とのつながりが深かったとみられる景弘に、商工会などが着目した。
市や委員会は3月に「佐伯景弘まつり」を開き、功績を歌詞に盛り込んだ歌やトークで景弘を紹介。その後も市などが、区内や廿日市市の史跡を巡るウオークラリー▽切手シート販売▽歴史冊子の制作▽公民館での歴史講座―に取り組む。区内外のイベントでは観光PRを続け、絵本や小説づくりも計画中だ。
宮島と原爆ドーム(中区)の二つの世界遺産の間に位置する同区。区地域起こし推進課の河部哲郎主幹(50)は「市中心部から宮島に通過する観光客を呼び込む。来年以降も取り組みを続け、定着させたい」と力を込める。
【写真説明】佐伯区産品の販売があった景弘交流会。会場には「さえき景弘くん」のパネル(右)などが並んだ