'12/10/4
友好願い日中書道展 福山
福山市幕山台の書家田中蘆雪(ろせつ)さん(84)が企画する日本・中国書道交流展が4日、福山市丸之内の宮地茂記念館で始まる。沖縄県・尖閣諸島の国有化をめぐり日中関係が悪化する中、開催中止も検討したが、書を通じた民間交流こそ大切と開催を決めた。6日まで。無料。
展示するのは、蘆雪さんが会長を務める蒼心書道会の会員の作品40点と、蘆雪さんと交流がある中国・大連市の書家施定全さんの作品50点。蘆雪さんらは、陶淵明や杜甫、李白らの漢詩を題材にしたためた。
大連市に蒼心書道会の支部がある縁で施さんと知り合い、交流を深めてきた。3年前からは大連アカシア祭りの関連行事として個展も開催。日中国交正常化40周年に当たる今年は、福山市で初めての交流展を開こうと構想を温めていた。
しかし、施さんの来日は中国当局の規制でキャンセルに。交流展の中止も検討したが、通訳を介して電話で施さんと相談し、記念行事の冠を外して交流展を開くと決めた。蘆雪さんは「書を通じた友情は崩れることはない。両国の書を見に来てほしい」と話している。
【写真説明】施さんから贈られた印を手に書道交流展について話す田中さん