職人の技物語
石川県に残る「ふぐの卵巣の糠漬け」。
人を死に至らしめるふぐ毒を多量に含む卵巣を糠漬けという方法で毒抜きをすることで、
まったく安全に食べることができるようにした奇跡の食品だ。
しかし、なぜ毒が抜けるのか、その過程は具体的に解明されていない。
そのため、製法を変えることができず、
伝統をそのままに今もふぐの卵巣の糠漬けはつくられている。
石川県でもっとも製造業者が多い白山市美川地区は手取川河口に位置する海辺のまち。
ふぐの卵巣のみならず、さまざまな魚介の糠漬けをつくっている。
各製造業者の糠漬けの貯蔵小屋が集まり、
このまちを訪ね、その伝統の技を追う。