製造工程
ふぐの白子は珍味として知られていますが、卵巣はいわば毒の塊。このままで食べると、1個で15〜16人の人を死に至らしめることができるほどのテトロドトキシンという毒を含んでいます。毒性の強さは5,000〜10,000マウスユニットで、青酸カリの約100倍です。その毒をなくして安心して食べられるようにするための最初の作業が塩漬けです。桶に卵巣を並べ、塩をふり、また卵巣を並べ、塩をふるという作業を繰り返します。最初は塩の中に卵巣が埋まっているような状態。塩分濃度は約30%といわれています。
数ヵ月すると、卵巣を塩漬けにした桶に水があがってきます。赤味を帯びたこの水にはテトロドトキシンが溶けだしています。
※1マウスユニット(MU)=毒の強さを表す単位。体重20gのハツカネズミを30分で死亡させる毒量。