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ふぐの卵巣の糠漬け

ふぐの卵巣の糠漬けとは

ふぐの卵巣の糠漬け画像 「ふぐの卵巣の糠漬け」は文字どおり、ふぐの卵巣を塩と糠に漬けて、3年以上熟成させた食品。「世界的に珍しい」とか「奇跡の食品」と紹介されることが多いようです。
というのも、ふぐの種類によっても異なりますが、ふぐの卵巣には青酸カリの100倍、2〜3mgで人の致死量に達するほどの猛毒が含まれています。その卵巣の毒が塩と糠に漬けることによって、無毒化され、食べても安全、そのうえ深い旨みを持った食品になるからです。
石川県では、ふぐの身の部分の糠漬けも製造されています。江戸時代にはすでにつくられていたようです。石川県にはほかにも、ニシンやイワシ、サバなどの糠漬けがあります。北海道から島根県辺りまで、日本海沿岸では古くから貴重な保存食として、いろいろな魚の糠漬けがつくられてきました。しかし、毒のある「ふぐの卵巣」を糠漬けにし、今も製造しているのは、石川県白山市美川地区と金沢市大野・金石地区。そして、輪島市だけです。
ふぐの卵巣の糠漬け画像なぜ卵巣の毒が消えるのか、科学的な解明がされておらず、解毒の過程は現在も謎のままです。ですから、各地区では、製造方法を変えることができません。ずっと変わらぬ方法で、今も「ふぐの卵巣の糠漬け」はつくり続けられているのです。