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奇跡の毒抜き・いしかわの発酵文化について

発酵とは

発酵に関わる微生物

発酵に関わる微生物はおもに「カビ」「酵母」「細菌」の3つです。微生物は「肉眼では見えない大きさの生物」と定義されますが、この3つの中でもっとも大きいのがカビで、次いで酵母、細菌の順です。微生物は地球のあらゆるところに生息しており、例えば、畑の土1グラムには3〜4億個の細菌がいるといわれています。

■カビ
ミカンや餅に生えたカビを見たことがある人は多いでしょう。カビはもっとも身近な微生物かもしれません。「肉眼では見えない」という定義に反しているようですが、胞子や菌糸が集まっているから見えるのであって、胞子だけを取り上げると、数ミクロンから数10ミクロン(1ミクロン=1/1000ミリメートル)。発酵によく利用されるコウジカビの胞子は4〜8ミクロンです。 発酵で活躍する代表的なカビ「コウジカビ」

大きさ 胞子 数ミクロンから数10ミクロン
形状 菌糸から分生子柄という胴部が伸びる。その頭部に頂嚢(ちょうのう)を基盤に胞子とそれを支える梗子(こうし)をもつ。
増殖方法 胞子→(飛散)→発芽→菌糸が伸びる→分生子柄が立ち上がる→先端に頂嚢を形成する→胞子
発酵で活躍する
代表的なカビ
コウジカビ(黄麹菌、黒麹菌、カツオブシ菌など)、アオカビ、クモノスカビ
関係する発酵 日本酒、米酢、黒酢、醤油、味噌、みりん、鰹節、カマンベールチーズ、ペニシリンなど

■酵母
カビよりも小さく、形状はバラエティにとんでいます。出芽酵母と呼ばれる酵母は果物の表面や樹液など、さまざまなところに生息しています。 酵母のさまざまな形状・球形、楕円形、卵形、偽菌糸形

大きさ 4〜8ミクロン
形状 球形、楕円形、卵形、レモン形、ソーセージ形、三角形、菌糸形状など
増殖方法 母細胞→娘細胞ができる→母娘細胞がほぼ同じ大きさになる→分離→母細胞
関係する発酵 パン、ワイン、ビール、日本酒など

■細菌
カビよりもさらに小さく、分裂して増えていきます。増殖スピードはカビや酵母と比べると非常に速く、種類によっては数十分ごとに分裂を繰り返すものもあります。 発酵で活躍するおもな乳酸菌・乳酸菌、ビフィズス菌、乳酸球菌の画像

大きさ 4〜8ミクロン
形状 球状、茎状、らせん状など
球状には、1個だけの単球菌・2つ並んでいる双球菌、鎖のような連鎖状球菌、かたまりとなったブドウ状球菌などがある
発酵で活躍する
代表的な細菌
乳酸菌、酢酸菌、納豆菌
関係する発酵 ヨーグルト、チーズ、糠漬け、キムチ、納豆、味噌、醤油、日本酒など

※発酵に関わる微生物の名称はおもに通称名で紹介しています。