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【東京】

中国・美大との交流展 中止 尖閣問題で来日できず 東京芸大「非常に残念」

中国の中央美術学院との交流展の看板には、開催中止を知らせる紙が張られた=台東区の東京芸大で

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 沖縄県・尖閣諸島の国有化後、日中関係が悪化する中、東京芸大(台東区)と中央美術学院(北京市)が十日から二十一日まで芸大美術館で開催予定だった交流展が、中止になった。中国代表団の来日と作品の発送に許可が下りないためで、政治のあつれきの影響が及んだ。

 「紙非紙」をタイトルとする交流展は、中国で生まれた紙をテーマに、絵画やオブジェなど紙を使った表現のほか、映像など紙ではない表現の可能性も追求する現代美術の企画。芸大側は美術学部絵画科油画の教授らが中心となり、アーティスト日比野克彦さんら両大学の卒業生と学生や教員の日本側二十八人、中国側十九人が出展準備を進めていた。

 しかし、九月二十六日、中国側からメールが届き、「日中関係の態勢変化のため、(来日予定者の)出国許可審査が滞っている」などと説明。「代表団と作品すべてが期日通り訪日することが不可能な状態で、延期せざるを得ない」と伝えた。

 芸大内に「日本側の作品だけで開催しよう」という意見もあったが、責任者の坂口寛敏教授(63)は「お互いの立場を理解し合うため中止にした。非常に残念だ」と話した。 (村松権主麿)

 

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