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ノーベル賞 8日から受賞発表
10月7日 18時57分

ノーベル賞 8日から受賞発表
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ことしのノーベル賞の発表が8日から始まり、医学・生理学賞や文学賞など6つの賞で、日本人が受賞するか注目されます。

ノーベル賞は、ダイナマイトを発明したスウェーデン人のアルフレッド・ノーベルの「人類のために最大の貢献をした人に与える」という遺言に基づいて、1901年に始まった賞です。
ことしのノーベル賞は、8日の医学・生理学賞に始まり、9日が物理学賞、翌10日が化学賞となっています。そして、11日以降も文学賞、平和賞、経済学賞が発表されます。
去年は、日本人の受賞者はいませんでしたが、おととしには、化学賞で、鈴木章さんと根岸英一さんの2人が受賞しました。また、4年前には物理学賞と化学賞で、アメリカ国籍の南部陽一郎さんを含めて合わせて4人の日本人研究者が受賞するなど、この10年間では、医学・生理学賞を含む自然科学系の3つの賞で、日本はアメリカに次いで2番目に多くなっています。これまでにノーベル賞を受賞した日本人は南部陽一郎さんを含めて18人です。
世界的な学術情報サービス会社が、論文の引用数などを基に、毎年、予想しているノーベル賞の有力候補者には、ことしも日本人3人の名前が新たに挙がっていて、世界的に評価の高い日本人は今も増えていて、ことしも6つの賞で日本人が受賞するか、注目されます。初日の医学・生理学賞は、日本時間8日午後6時半に発表される予定です。

政府の支援態勢

日本政府は、平成13年に科学技術基本計画の中で、「50年間で受賞者30人」という目標を掲げ、世界のトップレベルの研究を行っている研究者に重点的に予算を配分するなど、戦略的な研究支援の態勢を整えてきました。
しかし、日本の科学技術について、国際的な競争力の低下を懸念する声は高まっています。文部科学省がことしまとめた調査では、日本の自然科学系の注目度の高い論文の数は、平成11年からの3年間では世界4位を誇っていましたが、その後、中国などに抜かれ、去年までの3年間では7位に低下しています。中でも、ここ数年受賞が相次いだ化学の分野では、論文の数の減少が目立っているうえ、世界の研究者が引用するような質の高い論文も減る傾向にあります。
また、総務省によりますと、国内の企業や大学が科学技術の研究にかける費用は、平成22年度が総額17兆1000億円で3年連続で減少し、特に全体の8割を占める企業で景気悪化の影響を受けているうえ、国の研究開発への投資も頭打ちとなっています。さらに、文部科学省によりますと、海外の大学などに留学する日本人の大学生や大学院生の数は、平成16年をピークに5年連続で減少し、平成21年にはピーク時より30%近く少ない、およそ6万人にとどまっています。
こうしたなか、政府は、ことし7月、新たな政策「日本再生戦略」をまとめ、「8年後までに、特定の分野で世界トップ50に入る研究や教育の拠点を100以上設ける」という目標を掲げ、研究強化を目指しています。その1つとして、文部科学省は、来年度予算の概算要求の中に大学の研究を強化する事業を新たに設け、およそ105億円を盛り込んでいます。この事業では、引用数の多い論文などを基準に、将来性のある研究を進める20から30程度の大学を絞り込み優先的に資金を配分する計画で、大学の研究レベルの向上を目指すことにしています。

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