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北陸の経済ニュース 【10月6日02時39分更新】
東南アジアに投資続々 北陸の企業
沖縄県・尖閣諸島をめぐり日中関係が緊迫化する中、北陸の企業で東南アジアへの投資
が相次いでいる。北陸ミサワホーム(金沢市)は来年にも、石川の住宅メーカーとして初
めてベトナムに進出。繊維商社ジャテック(同)はインドネシアに合弁会社を設け、アジ
ア圏のカーテン販売を強化する。中国から東南アジアへ生産を分散する企業もあり、「脱
中国」の動きが加速しそうだ。「ベトナムは中国と比べて政治的なリスクが小さい。拡大する現地の住宅市場に食い込 みたい」。北陸ミサワホームの林諭社長がベトナム進出の狙いを語る。 今夏、ベトナム経済の中心地ホーチミン市に社員1人を派遣。情報収集を本格的に始め 、来年にも駐在員事務所を構える計画だ。 少子化で、国内の新築市場は将来的な縮小が予想されるため、需要増大が見込まれる新 興国への進出を決めた。林社長によると、ベトナムの住宅はれんが造りが多く日本と事情 は異なるが、耐震性が高い日本建築は一定の需要があると いう。 同社は1995年からグループの財団法人を通じ、就学が困難なベトナムの児童、生徒 を「里子」として支援する民間交流を続けている。林社長は「ベトナムは以前から関係が 深い国。北陸で培った技術力を駆使し、現地仕様の住空間を提供したい」と意気込む。 インドネシアで事業拡大を図るのは繊維商社のジャテック。11月に合弁会社を設立し 、現地でカーテン販売を始める。 中国・上海市にカーテンの小売店を設けていた時期があったが、近隣でコピー商品が出 回り「商売にならず撤退を決めた」(番徹夫社長)。数年前に中国での販売事業から脱却 し、ベトナムなど東南アジアにビジネスの重点を移している。 インドネシアは日系自動車メーカーが多数進出し、内装材の需要も見込めるという。2 年後に10〜15億円の売り上げ規模を目指す。 ■ ■ リスク管理の一環として中国から東南アジアに生産設備を移すなど「チャイナプラスワ ン」の動きが強まってきた。 北陸電気工業(富山市)は年内に中国子会社の製造ラインの一部をフィリピン子会社に 移設する方針。さらにフィリピンで新分野の医療機器向け電子モジュールの生産を始める 。 担当者は「海外拠点で新たな投資先を検討した際、中国は人件費が高く、政治リスクが あるため選択肢から外した。今後は東南アジアの拠点を有効に活用したい」とする。 自動車部品などのタカギセイコー(高岡市)は年度内にインドネシア工場を増強し供給 力を増やす一方、日本製品の不買運動が表面化した中国では取引先の減産に伴い、生産調 整を行う計画という。
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