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韓国の弾道ミサイル、北朝鮮の全域射程に 米と合意

2012年10月7日9時19分

図拡大韓国の弾道ミサイルの射程

 韓国が、弾道ミサイルの射程制限を現在の300キロから800キロに拡大することで、米国と基本合意に達した。韓国政府関係者が6日、明らかにした。近く正式に発表する。北朝鮮の全域が射程に入るため、北朝鮮側の反発は必至だ。

 韓国の弾道ミサイルは現在、「米韓ミサイル指針」で射程は300キロ以内、弾頭積載重量は500キログラム以下に制限されている。朝鮮半島の緊張を高めたくない米国が、韓国に技術提供をする条件として求めた。

 ただ、韓国側には弾道ミサイル開発の制限にかねて不満があり、2009年4月の北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射を受けて米国に指針の改定を非公式に求めたが、米国はいったんは拒否。しかし、翌10年に韓国哨戒艦沈没事件や大延坪島砲撃事件が起き、北朝鮮のミサイル開発も続いていることなどから、米韓が10年末から改定をめぐり協議を続けてきた。

 その結果、射程を800キロに延ばすことで合意したという。韓国中部から発射しても北朝鮮全域をカバーできる射程だ。議会内などには、南部から撃っても北朝鮮全域が射程に入る1千キロを求める声もあったが、中国など周辺国を刺激する可能性が高いことから、協議の早い段階で見送られた。

 韓国側が求めていた弾頭積載重量の増加についても、米国が難色を示し、基本的には現状維持になる見通しだ。

 合意の背景には、韓国と北朝鮮のミサイル戦力の不均衡が指摘されている。韓国国防省によると、北朝鮮は射程300〜500キロのスカッド、同1300キロのノドン、同3千キロ以上のムスダンを実戦配備。長距離弾道ミサイルの発射実験も繰り返してきた。

 韓国では、比較的低空をほぼ水平に飛ぶ巡航ミサイルには射程の制限がないとされるが、迎撃されやすい難点がある。

 軍事専門家は「北の方が有利な状況になってしまっていた。米国はミサイルの拡散や周辺国への刺激を避けるために韓国を抑えてきたが、ここに来て、不均衡を是正していくという判断に傾いたのではないか」と指摘する。

 北朝鮮は強く反発しそうだ。外交筋は「言葉による非難だけでなく、ミサイル発射実験などで対抗してくる可能性もある」とみる。中国も不快感を示す可能性がある。西日本も射程に入ることから日本国内にも警戒感はあり、韓国政府は発表前に周辺国に合意内容や意図を説明する方針だ。(ソウル=貝瀬秋彦)

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