放射線と被曝の教室(8) 福島とその近くの子供の守り方 (10/6)
(ここで解説をすること・・音声が主体です)
1) 福島の被曝量が相変わらず多いこと
2) 福島で甲状腺異常が多発していること、
3) チェルノブイリでの低線量被曝の影響がまだ続いていること、
4) 「1年100ミリまで大丈夫」と言って避難を妨げていること、
5) 1平方メートルあたり4万ベクレルを超えるところが多いこと、
6) セシウムの再飛散が続いていること、
7) 「健康診断結果」が「秘密会」で検討され、「被曝とガンには関係が無い」との口裏合わせが行われたこと、
8) ガンの特効薬の研究所が福島にできるという話が進んでいると
(こんな矛盾した状態の中で、福島の近くにお住みになるお子さんをお持ちの方に、すこしでも被曝を減らす考え方を整理しました。)
ポイント
1)食材に注意、
2)再飛散を体内に入れない、
3)医療被曝を減らす
(本来は医療は医師に全部、お任せするのが良いのですが、「被曝して良い」という医師や「秘密会に出席する」という医師がいる限り、当面は注意しましょう)
(平成24年10月6日)
--------ここから音声内容--------
福島の子どもたち、もしくはその周辺の子どもたちでですね、原発事故の直後、ちょっとこう油断していたという方とかですね、どうしても被曝の多い所に住まなければいけないという子どもたちを守らなきゃいけません。すでに事故から一年半はたちましたけれども、政府も福島県も対策を取るどころか、逃げ回っておりまして、むしろ県民税が下がるから子どもを被曝させるという、そういうことを考えてるわけですから、これはまぁ親としてはですね、どうしても子どもを助けてあげないとですね。子どもは親を信用しとります。
で、私がこのこと言わなきゃいけないなと思ったのは、福島の被曝量が相変わらず多いんですね。空間線量高いんですよ。これは30年間ですから仕方ないんですけども。それから甲状腺の異常が多発しとりますね。通常ですと100人に1人のところがですね、100人に全体で36人とか 40人とか、大きな数字では小学校の女の子が54人というような数字があることはあるんですね。いずれにしても見方にもよりますから、100人に40人ぐらいっていうことになりますと相当多いなということになりますね。
それからチェルノブイリの低線量被曝の影響がまだ続いておると考えられますね。チェルノブイリは甲状腺ガンがですね、通常10万人に1人か2人なのに、それが今でも増えているということですね。その他のガンなんかも増えております。そうすると(影響は)長期的ですからね。これはチェルノブイリのガンはですね、別の理由かもしれませんが、地元であるですね、ベラルーシやウクライナが特別に多いという理由がはっきりしない限りですね、やっぱり気を抜くことはできないわけですね。
それから相変わらず「一年100ミリまで大丈夫」と言って…言い続けてる人が多いということで、これが避難を妨げています。それから1平方メートルあたり4万ベクレルを超える土壌が多いんですけども、これは法律でですね、東電が直ちに駆けつけると。警察に言われて駆けつけるっていうようなことが必要なのに、東電ができないからと言って政府はやらせません。そうしますと、誰にこの影響が及ぶかったら、もちろん子どもたちが一番受けるわけですね。土にも近いし、遊ぶしですね。
セシウムの再飛散も同じであります。さらにそれに加えて、この1番から6番っていうのは物理的に発生してることでありますが、人為的な悪さというのはまた続いてるわけですね。健康診断検討が秘密会で行われて、そこで「福島の被曝とガンには関係がない」と、「みんなでそう言おう」という口裏あわせが行われるっていうことですよね。この検討会に参加してた人が、どうも委員が発言が少ないなって…それは発言少ないんですよ。もう最初から結論決まってんですからね。まぁひどい社会ですね。
それから私、これはまだ未確認情報ですが、ガンの特効薬の研究所が福島にできると。まず最初はどっかのビルの中に入り、その後建物も建てるっていうことですね。これはね、ものすごくほんとだったら背信行為なんですよ。っていうのは、「皆さん大丈夫ですよ、そこにいて」と、こう言いますね。「一年100ミリまで大丈夫なんですよ。100ミリ超えませんよ」と、こう言うわけですね。で、いろんなデータ出しますよ。「ほとんど住民は被曝してない」だとか、もう出しますね。出して「大丈夫ですよ、大丈夫ですよ」って言う反面、福島医大に放射線の専門家を置いたり、それからガンの特効薬の研究所を作ると。
これね、逆ならいいんですよ。「危ないですよ、皆さん逃げて下さい」っつって、みんなに逃げてもらう。だけどもそこに残ってる人もいるし、それから特異体質でガンになりやすい人もいる。だから福島医大に放射線科を作ったり、ガンの特効薬を研究したりするっつぅのはいいんです。これ、辻褄あってるんですよね。もちろんどんどんどんどん逃がすんだけども、逃がし切れなかった人を救うっつうのは、これ大切なんですよ。
例えば火事でもですね、「おい、火事だから逃げろ」っつって逃げるけど、中に逃げ遅れてヤケドをする人がいる。その人の治療をやると。これは正しいんですけどね。火事が起こってもね、「大丈夫だ、大丈夫」っつって居させて、みんながヤケドちゃったから、それ用の準備をあらかじめしておくなんて、そんなのね、考えられません。
だけど、これも文句言ってもしょうがありません、もう事実ですからね。だから、ちょっとお子さんの被曝量が多いなっていう方からもずいぶん相談を受けますので、一応それの対策をとりあえずしときますと、まず食材に注意されることですね。これは内部被曝っつうのが一番問題ですから、やっぱりこれは引き続き柑橘類とか、それからきのこ類とか、太平洋岸の魚っていうのをできるだけ控えるということですね。
それから再飛散したものを体内に入れないっていうことでは、お子さんは地面に近いので、砂遊びをやめさせるっていうのも、これつらいんですけども、危ないと思う時はできるだけ再飛散のものを体内に入れない。つまり放射線量が高い…例えば0,2マイクロシーベルトっていうような所はですね、地面から来てるわけですから、地面にそのセシウムがあるわけですからね。
それから三番目はものすごく言いたくないんですが、医療被曝を減らすしかないんですね。我々の被曝は自然被曝が1,5ミリシーベルト、一年ですね。それから医療被曝は平均して2,2ミリシーベルト、それから原発からが1ミリシーベルトと、こういう構成になっているわけですね。で、これ、よく横に並べて書くわけですが、横に並べないで縦に並べなきゃいけない。足し算ですね。自然被曝が1,5、医療被曝が2,2…これ3って言う人もいますから、まぁその辺。それから原発からが1。
だから、原発からの被曝を4受けた…4ミリシーベルト受けちゃったっていう人はですね、やっぱり医療被曝(の部分)で減らすしかないんですよ。しかし私はこれは本来は反対なんです。医療はですね、医師に全部信頼してお任せすんのがいいんですね。医学っていうのは…治療ってむつかしいんですよ。だからお医者さんがですね、高度な知識を持ち、技術を持ち、そして高度な倫理観を持って患者さんにあたってもらう以外ですね、病気を治すことってできないんですよ。
最近ですね、素人がですね、ああだ、こうだと言う人が多いんですけども、これよくないんですね。これ、患者さんの場合ですよ。健康を保つっつぅんじゃないですよ。病気になった場合ですね。私がよく「健康談話室」って(いう記事を執筆しているけれども)…これ健康をどう守るかっていうんであって、病気になったら、もうこれはね、お医者さんが一番いいんですよ。
でですね、お医者さんっつうのはあんまり社会的なこと考えてもらっては困るんですよ。これは科学者も同じなんですよ、私たちね。私たち科学者は、新幹線がいいかそれとも携帯電話がいいかなんていうこと考えちゃ、あんまりいけないんですね。ひたすら新幹線も作る、携帯電話も作る。できるだけ安全なものを作ると。(いいかどうかは)社会が判断するんですね。
お医者さんもそうで、治療はもうお医者さんが完璧にやらなきゃいけませんが、なんかお医者さんの中でね、「福島の人を逃がすのは大変だから被曝してもいい」とかですね、「医療費が高くなるから、血圧を下げる」とか、こういうやつはダメなんですよ、ええ。血圧を下げるかどうかは本人が健康になるために下げる必要があれば下げると。これに徹底してもらわないとですね、国民全員が(最高血圧)130以下でなきゃいけないとか、こんなのはね、もう医者じゃありませんね。
だから被曝してもよいという医者が出てくるんです。秘密会に出席するという医師が出てくるんですね。これは医師会の方でですね、「我々は元に返ろう」と、医者はですね、「社会のことを考えずに、とにかく自分の…相手の患者さんを治すことだけに集中しよう」ということに返らないとですね、もうとんでもないことになりますね、今後。
だからほんとは僕言いたくないんですが、どうしても被曝してしまったというお子さんはですね、例えば三年間医療被曝を受けなければ、平均として6ミリシーベルトぐらい稼げるといいますか、戻せますからね。だから今4ミリシーベルト浴びたと思って非常に悲しんでいる親御さんはですね、3年ぐらいはなんとか修復してくれますから。だいたい大人が5年と言われてるんで、子どもは3年ぐらいかなというのが僕の感じなんですが、体を修復してくれますので、そういうことを活かしてしてですね、医療被曝を注意されるという以外にはないですね。もう非常に私は言いにくいんですが。
しかし、どっちをとるかということになるとですね、やっぱりそこはそういうふうにせざるを得ないかなぁと思いますけども。やっぱりお医者さんに病気になったらご相談して下さい。お医者さんもですね、福島の医療費が安くなっちゃうからとか、自分が損するとかいうこと考えずにですね、やっぱり患者さんだけに…を見てですね、やってもらいたいというふうに思います。
いずれにしても、先ほど言いましたように「大丈夫だ」と言って医大に被曝による障害の準備をしたり、「大丈夫だ」と言ってガンの特効薬の研究所を作るっていうのはですね、完全な背信行為です。ですからやっぱり我々はですね、それに対して親としての責任を守る必要があると、こういうふうに思います。