サラリーマンの行動基準を決めるのは「怒られるか怒られないか」だ。お前ら、エラソーに「仕事術」だの「相手を説得する●●個のルール」とか言ってるが、所詮は「怒られたくない」という気持ちの方が強いってことを理解しとけ。「怒られたくない」こそ、仕事の原動力だ、この野郎
— 中川淳一郎さん (@unkotaberuno) 10月 2, 2012
面白いことを中川さんがツイートしていました。
怒られるようなことにこそ、価値がある
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ふと自分でも驚いたんですが、「怒られる」ということに、僕は高い価値を見いだしていることに気付きました。僕自身「怒られたくない」なんて微塵も思わないですし、誰からも怒られないようでは全然ダメだとも思います。むしろ進んで怒られるようなことがやりたい、とすら考えています。
怒られないなんてのは、何も変えていない証拠です。本当に何かを変えようとしたら、確実に四方八方から怒られます。ヤバいです。それは新しい取り組みなので、幾ばくかの瑕疵もあるでしょう。そうした瑕疵についても、四方八方から容赦なく突っ込まれます。
何か変化を起こそうとしたら、「準備不足だ」「非常識だ」なんて怒りを一身に受けることになるのです。それは歴史も証明しているのではないでしょうか。
これは大きな話ではありません。
例えば皆さんが社内を改善するために、在宅勤務を推奨したりするとします。するとセキュリティ部門から「データの漏洩があったらどうするんだ!責任は取れるのか!」と怒られるわけです。皆さんの立場によっては、その「一喝」でプロジェクトはすぐに頓挫してしまうでしょう。こういうくだらない話は社会に溢れています。
無視できない変化を起こしているから、怒られる
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より大きな話では、例えばある革新的な医療系ベンチャーの代表の方は、「毎日が戦争のようだ」と漏らしていました。彼らのビジネスはあまりに革新的なので、旧勢力からの抵抗が非常に強いのです。
ライフネット生命が保険原価を公開したときも、大きなバッシングを受けたと聞きます。「怨嗟の声」なんて表現がありますね。
業界初!“保険の原価”を開示したライフネット生命に怨嗟の声|inside|ダイヤモンド・オンライン
クチコミサイトであるみんなのウェディングが、ユーザーに「費用明細」の投稿を許可した際にも、業界から「勘弁してくれ」という声をもらったとか。現に、ゼクシィやウェディングパークなど、他のプレイヤーは未だに「費用明細のユーザー投稿」に踏み込めていません。
僕は割とガチでやりたいビジネスとして、「賃貸物件のリアルな口コミサイト」というネタを持っています。このビジネスで実現したいのは「賃貸物件の家賃を下げる」ことです。クチコミによって人々が事前に正確な情報を得られるようになれば、借り手が明らかに不利になるような、あこぎな商売は消えていくでしょう。はずれ物件を掴まされることもなくなります。家賃負担はどう考えても高すぎるので、クチコミの力で適正値まで下げたいのです。
…ということを本気でビジネスとして取り組んだら、僕は間違いなく不動産業界の人から「怒られる」でしょう。「俺たちのビジネスを食い荒らすな!」という声が聴こえてきそうです。「賃貸物件の価格を下げる」なんて大手を振って公言したら、後ろから刺されるかもしれません。
しかしながら、怒られるということは、裏返せば「無視できない大きな変化」を起こしている、ということでもあります。失うものがない、縛られるものがないスタートアップこそ、個人的にはこういう「怒られる」ビジネスをやるべきだと考えてもいます。
(余談ですが、もしこのビジネスに参加するとしても、僕は性格的にCEOではなく、CMOとして入りたいと思っています。組織の旗を振るのは昔から苦手なのです。戦士ではなく、魔導士的なポジションが好みです。誰かこの市場に挑戦する人がいたら、僕が炎上担当として矢面に立つので、一緒にやりましょう笑)
何かアイデアや意見を思い付いて、「怒られるから」という理由でそれを引っ込めるのは、「オトナ」な態度かもしれませんが、僕はもったいないことだと思います。失うものがなければ、怒られるのを覚悟で変化を起こしにいくのが、カッコいい生き方でしょう。
関連本。ライフネット生命出口社長の本を読むと、常識を破るエネルギーを貰えるかも。出口社長は超カッコいい大人です。