個人情報漏えい:「情報屋」収入12億円 愛知県警
毎日新聞 2012年10月06日 02時30分
愛知県警が摘発した一連の個人情報漏えい事件で、情報収集の中心的存在だった愛知県の「情報屋」が、個人情報の売買で5年間に約12億7000万円の収入を得ていたことが5日、捜査関係者の話で分かった。県警は収入の半分程度が利益だったとみて調べている。
情報屋を運営していたのは、戸籍法違反容疑などで逮捕された調査会社役員、新原(にいはら)聡(あきら)(38)▽同、久松淳二(37)の2容疑者ら。「エージェーLP」(名古屋市)など3社を使い分け、携帯電話大手3社の顧客情報のほか、国土交通省や長野県警が管理する車両情報、戸籍情報などを不正に取得していたとされる。
捜査関係者によると、07年1月から12年6月末の情報屋の関係口座に計約12億7000万円が入金されていたことを確認。これまで4年間で約8億5000万円の入金を確認していたが、その後の捜査でさらに膨らんだ。
新原容疑者らは約10年前から、全国の探偵業者らにファクスなどで個人情報の売買価格などを送り、取引先を開拓。知り合いの探偵らには「(売買できる)良い情報はないか」などと持ちかけていた。一方、企業や官公庁内に「協力者」を抱えた全国の探偵らは、ファクスなどを通じて情報屋の存在を知り、逆に「情報を買い取ってほしい」などと持ちかけてくることもあったという。こうして業界内で新原容疑者らのネットワークが拡大していったとみられる。【稲垣衆史】