3日朝から神奈川県秦野市の陣屋で指されていた第60期将棋王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負第4局は、千日手指し直しの末、4日午前2時2分、147手で挑戦者の羽生善治二冠(王位・棋聖、42)が渡辺明王座(竜王、28)を下し、対戦成績3勝1敗で王座を奪還した。羽生新王座の王座獲得は2年ぶり通算20期目。故・大山康晴十五世名人が王将戦で達成した同一タイトルの最多獲得記録に並んだ。
羽生新王座は今回の王座獲得で来期五番勝負への登場も確定。王座戦の番勝負登場は22年連続となり、大山十五世名人が名人戦と王将戦で記録した同一タイトル戦連続登場記録(21期)を抜いて史上最長となる。
渡辺前王座は前期、1992年から続いた羽生新王座の20連覇達成を阻んで自身初の二冠となったが、1年で王座の地位を明け渡し竜王の一冠に後退した。
指し直し局は両者得意の相矢倉に。渡辺王座が相手の攻めを呼び込んで駒得を果たすが、羽生二冠は攻め続ける。渡辺王座も強じんな粘りを見せて混戦となった場面もあったが、羽生二冠は自陣に金銀を投入して鉄壁にする。その後でじっくりとした攻めを間に合わせ、千日手局の開始から17時間を超す、2日がかりの激闘に決着をつけた。
今回の五番勝負で、羽生挑戦者は力勝負にこだわり続けた。第2局の角交換振り飛車をはじめとして前例の少ない形に徹底して誘導。「(事前の)研究に頼りすぎてはいけないと思った」という前期の反省を踏まえてのものだったろう。昨年20連覇を阻まれた、因縁の相手に対する強い意識もあったかもしれない。
象徴的だったのが第2局。不利な状況で嫌みをつけながら耐え続け、最後には勝利をつかんだ指し回しは、「巨人」と呼ばれ年齢を重ねても腕力で勝ち続けた「大山十五世名人のような逆転勝ちだった」(広瀬章人七段)。先月42歳になった羽生新王座は「将棋には年齢に応じた強み、課題があると思う」と常々語る。王座通算20期の大記録を達成した節目の五番勝負は、羽生新王座が新しいスタイルを見せた、記憶に残るシリーズでもあった。
羽生善治、渡辺明、大山康晴、広瀬章人、将棋王座戦
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