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精子・卵子の元になる細胞作り出す
10月5日 12時18分

精子・卵子の元になる細胞作り出す
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体のあらゆる組織や臓器になるとされるヒトのiPS細胞から、精子や卵子の元となる細胞を作り出すことに、慶応大学の研究グループが成功しました。

慶応大学の岡野栄之教授らのグループは、文部科学省に届け出るなどして、ヒトの皮膚から作成したiPS細胞をもとに精子や卵子を作る研究を進めています。
この中で、iPS細胞が精子や卵子の元になる「始原生殖細胞」という細胞に変化して特徴的な遺伝子が現れると緑色に光るよう加工し、特殊な化合物を加えて培養しました。
その結果、遺伝子の働き方から、5日後に始原生殖細胞になっていることを確認したということです。
ヒトのiPS細胞から始原生殖細胞が作られたのは、国内では初めてです。
始原生殖細胞を巡っては、京都大学のグループがマウスの実験で、精巣や卵巣に移植して精子や卵子に変化させ、それぞれ子どものマウスを誕生させることに成功しています。
始原生殖細胞については、成長の仕組みなどがよく分かっていないことが多く、慶応大学の研究グループでは、今後、ヒトで精子や卵子に変化させる研究を行って、不妊の原因の解明につなげたいとしています。
岡野教授は「不妊症の治療薬の開発などにつなげたい」と話しています。
ヒトの精子や卵子を人工的に作り出す研究については文部科学省が指針を定めていて、受精させることは禁止されています。

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