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2012年10月6日(土) 東奥日報 ニュース



■ 水道水異臭 住民に負担ずしり

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学校の水道水の異臭が強いため、飲料水のサーバーを設けている弘前市の豊田小=5日
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 「経費が掛かって大変」「水のおいしさが自慢なのに」−。津軽広域水道企業団津軽事業部(黒石市)が供給する水道水の臭気物質濃度が基準を上回っている問題は、一般家庭をはじめ学校、事業所、飲食店など多方面に影響が広がり、住民たちは負担を強いられている。

 弘前市の豊田小学校は水飲み場の水道水の異臭が強く、飲用水を持参するよう2日に保護者へ文書で依頼した。1階廊下にサーバーを2台用意し、異臭問題がない地域の職員が自宅でくんできた水道水を入れている。4年生の石田鈴和さんは「うがいする時は水道水で我慢するけど、墨みたいな味。水道水を飲んでいる人はあまりいない」と言う。

 弘前市東部学校給食センターによると、あえ物などの料理で一部学校の検食簿に「においがする」などと書き込まれたことが2回あった。そのため連休明けにも、蛇口に浄水器を取り付けることにした。同市の回転ずし店「清次郎 弘前店」では、まな板などの調理器具を水道水で洗った後、アルコール消毒液を拭きかける措置を新たに取った。キッチンペーパーで拭き取り、においが残らないようにしているという。

 一方、ペットボトル入りの水は売り上げが急増している。食品スーパーを展開する佐藤長(弘前市)によると、2リットル入りの水の販売量が9店舗で異臭問題発生前の10倍になった。一戸利明食品部長は「1家族2本までに制限している。広く買い求めていただけるよう、欠品がないように努めたい」と話す。

 黒石市でスナックを経営する中村節子さんは9月24日ごろから店で使う飲用水をミネラルウオーターに切り替えた。「経費が掛かり経営を直撃している。黒石はおいしい水が自慢なので、早く元の水質に戻ってほしい」と訴える。

 湧き水に頼る人も増えている。黒石市でラーメン店を営む三上裕子さん(62)は自宅がある弘前市内の湧き水をポリタンクで息子に運んでもらい、飲み水とスープに使う。「負担が増えてつらいが、仕方ない」

 黒石市中町の津軽黒石こみせ駅の敷地内には湧き水の水くみ場があり、最近は訪れる人が増えている。「焼酎の大きなボトルを十数本持ってくる人もいた」とスタッフの中田純禎さん(39)。中田さんによると、同市内はもともと井戸を持っている家が多く、湧き水も豊富にあり「だから他市町村ほどの騒ぎになっていないのでは」と推測する。

 日頃から地下水や井戸水を使っている事業所もある。農産物の1次加工を手掛ける黒石市の食菜八幸は「地下水をくみ上げて野菜の洗浄などに使っているので影響はない」とする。

 問題が長引く中、各市町村は給水所を設けて対応している。弘前市立病院は栄養管理室の職員が病院向かいの給水所に水を取りに行き、小児科に入院する子どものミルクや離乳食用に使っている。5日は35リットルを用意した。

 ただ、給水所から水を持ってくるのは一苦労だ。五所川原市川端町で飲食店を営む50代女性店主は「車を持っていないので給水所から水を運べない。こんなことなら水道代をただにして」とこぼした。

 同市の立佞武多(たちねぷた)の館も近くの給水所から水を調達しレストランで使っているが、給水は1回10リットルまでと制限がある。毛内秀登館長は「水がおいしい青森県で売っているのに」とため息をついた。

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