日中国交正常化:40年 民間交流の大切さ訴え 長野で記念講演会 /長野
毎日新聞 2012年10月06日 地方版
県日中友好協会など3団体は4日、長野市で日中国交正常化40周年を記念した講演会を開いた。講演した東大大学院の高原明生教授(現代中国政治)が沖縄県・尖閣列島の国有化を巡る日中関係の悪化に触れ「(日中間で)好き嫌いがあっても、経済的な相互依存関係が拡大している。それに根強い民間交流が両国関係を支えている」と両国の民間交流の大切さを訴えた。
講演会は日中友好協会、県日中学術交流委員会、県日中経済交流促進協議会の県内団体が企画。会場に約200人が訪れた。講演で高原教授は「中国は経済が減速し、ナショナリズムに国家統治の基盤を頼りつつあるのが、反日運動の背景」と見解を述べた。
講演後、満蒙(まんもう)開拓の歴史に詳しい県短期大の上條宏之学長や、国内初の満蒙開拓をテーマにした「満蒙開拓平和記念館」を建設する準備会の河原進会長らが、日中関係の在り方についてのパネルディスカッションをした。
講演を聴いた長野市の60代男性は「日中は隣国同士で切っても切れない関係。しっかりとした信頼関係を作っていかなければと実感した」と話した。【仲村隆】