風船:山口から1日で岩手へ…「すごい」園児の夢、届いた
毎日新聞 2012年10月05日 07時54分(最終更新 10月05日 10時33分)
山口県柳井市日積(ひづみ)のひづみ保育園(西山忍園長)の園児らが運動会で放った風船が、わずか1日で約1000キロ離れた岩手県一関市まで飛んだ。拾った女性から4日、園に手紙が届き、園児たちは「すごい」と目を白黒させた。
◇拾った女性「交流を」
女性は一関市藤沢町保呂羽(ほろわ)、牧場経営、畠山幸子さん(63)。9月24日早朝、自宅に隣接する牛の放牧場に黄色い風船が落ちているのを見つけた。風船には「家族みんなが笑顔でありますように」とのメッセージが書かれた短冊が結びつけられており、ひづみ保育園の印鑑が押してあった。園児の保護者が書いたとみられる。
園の子どもたちが風船を飛ばしたのは、前日の23日午後3時ごろ。園児35人や小学生、地域の人たちが参加した地区の運動会の締めくくりに、参加者が短冊に夢を書いた風船など約450個を飛ばした。
畠山さんは風船を手にした時、離れて住む孫を思い「飛ばす時の園児の笑顔が浮かんだ」という。「まさか遠い山口から来るなんて。気流に乗ってすごいスピードで来たんだな」。翌日、保育園の電話番号を調べて連絡した。
「ふうせんさん ふうせんさん そらのたびはどうでしたか」「は〜い それはたのしかったですよ」。畠山さんは早速、風船が空を飛んでいる時の気持ちをつづった童話を創作。風船と同じ黄色い用紙4枚に、手紙とともにしたため、保育園に送った。地図を見て遠くまで飛んだことを知った井本大貴君(6)は「おもしろい。『ありがとう』と手紙を書きたい」とにっこり。畠山さんは「これからも交流を深めたい」と話した。【小中真樹雄】