■なぜ「タイガー」に客が殺到したのか?
来店客の7割近くは女性だ。20~40代が中心だが、年代も幅広い。店内には、彼女たちの心をくすぐる「かわいく、カラフルでポップな商品」がズラリと並ぶ。しかもデザインはインテリア家具でも人気の高い北欧テイスト。高価な北欧家具をそろえられなくても、小物や雑貨で部屋を演出することはできる。たった100円か200円なのに、“普段の暮らしを豊かに変えられる実用品”が多いのがタイガーの一番の魅力だ。大阪市内から駆け付けた30代女性の2人連れは「かわいくてポップなので、見ているだけでも楽しい」「北欧ブランドは高い印象があるが、安いのがいい」とにこやかに話す。
さらに取り扱うアイテム数が豊富なのも人気の秘密。キッチン・リビング用品、ステーショナリーから、ファッション雑貨、パーティグッズまで、オープン当初は約1000アイテムを展開。売り場には見て選べる楽しさがあり、そのワクワク感と安さがついで買いを誘っている。
今回これだけ客が殺到したのは、フェイスブックなどソーシャルメディアの力によるところも大きい。「広告を打たないこと」がかえって興味をかき立て、フェイスブックやツイッターなどを通したリアルなレポートが口コミの輪を広げていった。
大阪人気質もオープンを盛り上げた一因だろう。
大阪人は昔から、多種多様な文化を受け入れ、そこから町人文化を生み出した歴史がある。大阪に海外ブランドの日本1号店がオープンすると聞けば、とりあえず覗いてみたくなるのが大阪人気質。また、海外ブランドの大半が東京に1号店を出すなか、タイガーが大阪を選んだことにも、どこか親近感を感じたのではないだろうか。一般的に派手好きといわれる大阪の消費者がタイガーのカラフルでポップな色柄に引かれるのも不思議ではない。
それに大阪人は安くていいものを買うと、他人に見せびらかしたくなる傾向がある。タイガーで購入した商品を自慢した女性客は少なくないはず。それが口コミで広がったとしたら、まさに大阪人パワーが人気に拍車をかけたといえるだろう。
レナートCEOはオープン時に大阪に出店した理由についてこう語っていた。
「東京は市場が大きすぎるうえ、店をオープンしても情報が埋もれてしまう。一方、大阪は1つのマーケットとして展開でき、話題も集中しやすい」
臨時休業までは想定していなかったとしても、ある程度話題を集めることは見越していたのだろう。日本に初出店する海外ブランドにとって「大阪に1号店」はテストマーケティングだけでなく、認知度を高める手法としても有効なのかもしれない。
タイガー、ゼブラジャパン、大阪、北欧、クラウス・ファルシグ
この夏、大阪ミナミのアメリカ村にオープンした海外の人気雑貨店が、開業ひと月もたたずに突然休業した。
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