関西電力は10日、子会社や関連会社17社に計69人の天下りを受け入れていることを明らかにした。昨年3月末の時点の集計で、大阪府市からの質問に答えて開示した。一方、関電本社では現時点で計25人の天下り組がいることが朝日新聞の取材で判明。官と電力業界の癒着構造が改めて明らかになり、批判が高まりそうだ。
子会社や関連会社については、同日開かれた大阪府市の専門家会議「エネルギー戦略会議」で、関電が明らかにした。
回答書によると、天下っていたのは、国家公務員が計25人。出身省庁は国土交通省13人、経済産業省3人、環境省2人など。「主に土木関係技術業務や環境関係業務などに従事している」と説明している。地方公務員は計44人で、内訳は警察関係16人、土木関係13人、消防関係10人など。「主に渉外対応、土木関係技術業務、原子力発電所の自衛消防隊業務などに従事している」とした。
受け入れ先のうち、突出して多かったのは、土木建築工事など設計・監理を担う子会社「ニュージェック」(大阪市北区)で、国家公務員15人と地方公務員13人が天下っていた。このほか、放射線管理や放射性廃棄物の処理などを担う子会社「関電パワーテック」(大阪市港区)に9人、電気・情報通信関連工事の関連会社「きんでん」(大阪市北区)に6人などとなっている。
こうした子会社や関連会社と、関電本店購買室の年間契約金額は約1550億円(2010年度)で、全体の26%を占めていた。