女性宮家問題:論点整理 自民、政府案に反対 「国家公務員案、皇族に失礼」
毎日新聞 2012年10月06日 東京朝刊
政府は当初、皇籍を離れて民間人になった内親王が、称号だけ保持して皇室活動を行う案を探ったが、「法の下の平等に反する」として断念。さらに「次善の策」の国家公務員案も自民党の反発を受け、実現の道筋は一層見えなくなった。藤村修官房長官は同日の記者会見で、皇室典範改正案の国会提出時期について「必要なら当然、来年になるが、厳密には決まっていない」と述べるにとどめた。【阿部亮介】
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◆女性宮家創設論点整理のポイント◆
・制度改正の前提 男系男子による皇位継承を規定する皇室典範第1条には触れない。制度改正の対象を天皇の子と孫に当たる内親王に限定。新制度適用は女性皇族本人の意思を反映する。
・第1案 婚姻後も皇室にとどまる女性宮家創設案の検討を進めるべきだ。配偶者や子に皇族の身分を付与する案と、付与しない案がある。
・第2案 皇籍離脱後も尊称を保持する案は実施困難。国家公務員として公的な立場を保持する案も検討対象。