政権中枢に通じた筋によると、野田佳彦は、党では輿石東を兄と仰ぎ、内閣では岡田克也を兄と慕う態度をますます強めているという。
左翼二人に近付けば近付くほど、逆に保守的信念へのこだわりを見せる松原仁が疎ましくなったのだろう。「人権救済(に名を借りた思想警察)法案」では、閣内で一人反対を続ける松原に対し、野田は怒りの表情を向けてきたという。
その野田が、松原を更迭して後任に据えた田中慶秋拉致担当相に、違法献金問題が発覚、早くも辞任の可能性が出てきた。
ふざけた人事の報いであり、野田のつまずきに、同情の余地はない。
菅内閣で、仙谷官房長官が拉致担当大臣を兼務した時(柳田担当相の失言問題による辞任を受け)、ブルーリボン・バッジの引き合いが顕著に減った。おそらく、侮蔑する人物が身につけているものは避けたいという無意識の忌避感情が働いたのだろう。バッジの頒布収入は救う会の重要な活動資金源である。
野田にはもうブルーリボン・バッジを外してもらってよい。むしろ迷惑だ。
読売新聞 2012年10月5日
改造4日目で内閣つまずく…法相の企業献金問題
田中慶秋法相の政治団体が在日台湾人が経営する会社から献金を受けた問題が4日、明らかになり、野田第3次改造内閣は発足から4日目でつまずいた。
田中氏は記者会見で辞任を否定したが、自民党は辞任を求め、国会で攻勢を強める構えだ。与党内では、秋の臨時国会召集の先送りや見送りを求める声が出ている。
田中氏の4日の記者会見などによると、田中氏が代表を務める民主党神奈川県第5区総支部が2005~09年、在日台湾人が横浜中華街で経営する会社から計54万円の献金を受けた。政治資金規正法は、外国人や外国人が主な構成員の団体からの寄付を禁じている。田中氏は会見で、献金者が外国人であることは「(昨年まで)存じ上げていなかった」とし、詳細を調査のうえ、「改めて説明する」とした。辞任は「そういう風には考えていない」と否定した。
藤村官房長官は4日、法相から電話で説明を聴取した。その後の記者会見で、「今の段階でどうとかこうとかという話ではない」と述べ、当面は事態の推移を見守る考えを示した。民主党の細野政調会長も記者会見で、「献金をいただく時に、万が一、手違いがあった場合、率直におわびをして訂正するしかない。そのことで、次から次へと政治家が表舞台からいなくなるのはいいことではない」と法相続投を擁護した。
記者会見する田中慶秋法相(4日午後、衆院第2議員会館で)=吉岡毅撮影