核燃サイクル:選択肢決定 「原子力ムラ腐敗象徴」 策定会議メンバーが批判

毎日新聞 2012年06月22日 東京朝刊

 内閣府原子力委員会が核燃サイクルの選択肢を決めた21日、第三者による検証結果が出るまで決定しないよう要請してきた原子力委の有識者会議「新大綱策定会議」のメンバーから批判が起きた。

 メンバー4人が要望書を出したのは19日。わずか2日後の決定に金子勝・慶応大教授は「決定に正当性はない。原子力委がエネルギー・環境会議に提出し、国民の意見を募る対象にすることは恥ずべきこと。原子力ムラの腐敗と思考停止を象徴している」と憤った。

 決定のたたき台を作った小委員会では、高速増殖原型炉「もんじゅ」についてほとんど議論しなかった。小委員会メンバーでもある伴英幸・原子力資料情報室共同代表は「議論を避けておきながら決定では選択肢に入れ込んだ」と批判した。小委員会の取りまとめではトラブル続きの再処理工場(青森県六ケ所村)稼働の見通しが立たないとして「核燃サイクルの基本政策決定を留保する」案も記載されていたが、決定から消えた。阿南久(ひさ)・全国消費者団体連絡会事務局長は「理由が分からない」と首をかしげた。【核燃サイクル取材班】

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 ■解説

 ◇疑惑の渦中「強行突破」

 原発推進側だけを集め「勉強会」と称して23回の秘密会議を重ねていた内閣府原子力委員会が21日、核燃サイクル政策の選択肢を決定したが、果たして国策を決める資格があるだろうか。近藤駿介原子力委員長ら委員5人はいずれも秘密会議に出席し、現在検証チームの調査を受けるなど疑惑の渦中にある。信頼回復抜きの「強行突破」では国民の理解は到底得られまい。秘密会議について原子力委は「データ整理の作業会合」などと釈明する。ならばなぜ「表」の有識者会議で将来使用する議案を事前に何度も配り事業者から意見を聞いたのか。

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