核燃サイクル:原子力委、検証なく報告書 使用済み核燃料、地中埋却も選択肢

毎日新聞 2012年06月22日 東京朝刊

 原発の使用済み核燃料を再利用する核燃サイクルについて、内閣府原子力委員会は21日、原発依存度を下げる場合、使用済み核燃料をすべて再利用する現行の「全量再処理」ではなく、すべて地中に埋却する「全量直接処分」や、再処理と直接処分の「併用」が適切とする報告書をまとめた。核燃サイクル見直しを巡っては原子力委・小委員会の公開審議の裏で、原発推進派だけの秘密会議が重ねられていた問題が発覚、内閣府が検証を進めている。一部委員は検証終了まで報告書決定をしないよう求めていた。検証を待たずにまとめられたことで、報告書は正当性に疑問を残した。

 報告書は、2030年時点で原発を全廃する場合は全量直接処分が、原発比率を15%(10年実績は26%)に減らす場合は併用が適切とした。全量再処理は原発比率を20〜25%で維持する場合のみ適切としたが、「政策の柔軟性を重視するなら併用が有力」とも付記した。

 使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを増やしながら使う計画が頓挫している高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)については、全量直接処分なら研究開発中止▽併用なら約5年で実用化が可能か判断▽全量再処理なら実用化を目指し約10年運転−−と位置づけた。

 各政策共通の重要課題として、政策変更の全責任を国が負う▽使用済み核燃料の中間貯蔵容量を増やす▽直接処分の技術開発や制度検討に早急に着手する−−ことを列挙。全量再処理を堅持してきた従来路線からの転換を迫る内容となった。

 報告書を基に、政府は月内にも中長期的なエネルギー・環境政策の選択肢案を示す。近藤駿介委員長は閉会後、報道陣に「検証の結果おかしいということになれば変える」と述べた。 【阿部周一】

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