またもや、今書いている書籍からティザー的に切り出してみます。
定年退職、年金生活は幻想
「100年安心プラン」自体は、もはや完全に崩壊しているといってよいでしょう。(中略)その後の経済・社会情勢は、100年安心プランの前提となった甘い政府見通しを裏切る状況が続いています。
今から約40年後、僕らが60歳になる頃には、「定年退職」やら「年金生活」なんてものは昔話になっているでしょう。
実際、年金支給年齢を引き上げる空気はありますし、2050年頃には、いわゆる「老後」は80歳くらいになっていてもおかしくはありません。貰える年金額は、もちろん今より減少していることでしょう。
「老後は年金をもらってのんびり暮らしたい」なんてものは、僕たちの世代にとっては幻想でしょう。もっと危機感を持ち、実際的に考えていかないといけません。
稼ぐのも難しくなる
(少子化社会白書)
日本は今後衰退の一途を辿ると思われます。なんせ人口が減るので、これまでと同じ経済規模を維持するのは難しくなるでしょう。よほどの能力がないかぎり、多くの労働者は低収入に甘んじることになるはずです。
ハイパーノマドと呼ばれるような優秀なビジネスパーソンは世界を股にかけて大金を稼ぎ、僕のような国内で活動する人間は、縮小する国内市場を相手に、ほそぼそとビジネスを続けることになるでしょう。黙って働いていれば右肩上がりの年収になるなんて、甘えもいいところです。
死ぬまで低年収でも、その仕事続けますか?
そんなわけで、僕を含めた、一定の条件を超えられない多くの人たちは「死ぬまで低収入で働く」という未来に直面することになると考えます。今も農業従事者は高齢の方が多いですが、将来的にはホワイトカラー層も同様に、高齢になっても働くようになるのでしょう。
「死ぬまで低収入」というのはそれだけでかなり悲観的ですが、さらに、大して好きでもない仕事をやらなきゃいけないような場合は、完全に悲劇です。
僕は物書きという仕事が大好きです。これは間違いなく低収入の仕事ですが、まぁなんとか生きていけていますし、年老いて円熟すれば、市場価値も維持できるような気がします。僕自身は、「死ぬまで低収入」という前提はもう受入れることができています。
「この仕事、死ぬまで続けられるかな?」という問いについて、それなりに長期的な観点を持って考え続けないといけないと思います。皆さんのお仕事は、死ぬまで続けられますか?もし低収入でも、楽しく続けられますか?
もちろん僕たちは若いので、「死ぬまで続けられる仕事」を今すぐに見つける必要はありません。長い目でたどりつけばいい話です。
生活コストを見直して、細く長く楽しめる職業人生を目指していくのが、これからのキャリア形成のスタイルになるのでしょう。
と、次の書籍はそんな随想をまとめた一冊となっています。11月1日に校了、年末年始あたりに発売予定でございます。頑張って1万部は売りたいと思うので、いい内容に仕上げたいと思います。
関連本。上の方でちらっと紹介しましたが、この本はとてもおすすめ(ブックレビュー)。