名古屋グランパスのドラガン・ストイコビッチ監督(47)は5日、2年連続得点王のFWジョシュア・ケネディ(30)に頼らず、今シーズンの残り試合を戦う考えを表明した。9月29日の新潟戦で腰痛を再発したケネディについて、指揮官は「最後まで難しいと思う」と発言。優勝戦線から脱落した悪夢の連敗を振り切り、ACL出場圏内の3位を確保するためにも、メンバー、戦術を一新して大宮をたたく。
ストイコビッチ監督がついに腹をくくった。腰痛や右膝の負傷などで復帰と離脱を繰り返し、チーム全体の出来を左右してきたケネディについて、今季は主力として計算しない方針を明かした。「ほとんど今年はいなかった印象だ。今も同じ状況で、最後まで難しいと思う。もちろん彼がいないのは損失だが、シンプルな考え方をすれば、永井をそこに据えることもある」。3位確保に向け、脱ケネディを打ち出した。
そのための手も打った。今週は通常より多く戦術練習を行い、細かいパスワークやサポートの意識を徹底させた。「いいサッカーをしたいということだ。もちろん私も細かくパスをつなぐサッカーが好きだ。ただそれは、選手にもよるものだろう」。つまり、ケネディという強力なターゲットマンがいたからこそ採っていたロングボール戦術だったことを強調。それがいないとなれば、チーム全体を地上戦仕様にモデルチェンジするのは当然だ。
もちろん、精神面も重要な要素だ。ケネディのように試合途中に何度も交代を直訴する選手を起用していては、チーム全体の士気に影響する。だからこそ、選手には強い闘志と責任感を求めた。「これ以上、ファンをがっかりさせたくない。選手には責任持ってプレーしてほしい。ベストを尽くし、走って走って走りきること。明日は自分自身の希望を回復させるチャンスでもあり、美しいサッカーをするチャンスでもある」。大宮戦は、プロとしての真価を問われる一戦となる。 (宮崎厚志)
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