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ストロンチウム 短時間で測定
10月6日 6時22分

ストロンチウム 短時間で測定
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原発事故などで放出される放射性ストロンチウムについて、測定にかかる時間をこれまでの1か月ほどから4時間程度に大幅に短縮する新たな方法が開発され、福島第一原発事故に伴う食品や土壌の調査で測定の回数を増やせると期待されています。

新たな測定方法を開発したのは、茨城県つくば市の独立行政法人、産業技術総合研究所の、小池正記グループ長らの研究グループです。
原発事故や核実験で放出され、がんを引き起こすおそれがある放射性ストロンチウムは、ベータ線という放射線を出すだけで、ほかの放射性物質と見分けがつきにくいため、量を測定するにはこれまで1か月ほどかかっていました。
研究グループは、特殊なフィルターなどを使って不純物を分離し、ジピコリン酸という化学物質と混ぜて質量を分析する新たな測定方法を開発しました。
測定にかかる時間は、4時間程度に短縮されるということです。
放射性ストロンチウムを測定する回数は、福島第一原発事故に伴う食品や土壌の調査でも少なく、小池グループ長は、「放射性ストロンチウムの量は、現在は放射性セシウムの調査から推定しているが、直接測定する回数を増やすことで、消費者の不安解消につなげられるのではないか」と話しています。
文部科学省の調査では、福島第一原発の事故で放出された可能性がある放射性ストロンチウムは、福島県のほか、秋田や茨城、東京など10の都県で検出されています。
最も数値が高かったのは茨城県ひたちなか市の去年3月のサンプルで、1平方メートル当たり6ベクレルでしたが、文部科学省は「濃度は放射性のセシウムに比べて非常に低く、健康への影響はほとんどないと考えられる」としています。
また、水産庁が行っている水産物を対象にした放射性ストロンチウムの調査は、これまで、福島県沖などでとれた13種類の魚にとどまっていて、最も高い値でもシロメバルから検出された1キログラム当たり1.2ベクレルで、放射性セシウムに比べて低いことが確認されています。

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