電気自動車などのハイテク製品の部品に必要な鉱物資源レアアース(希土類)が、日本の排他的経済水域(EEZ)である小笠原諸島・南鳥島周辺の海底に多く存在することを、東京大などの研究チームが発見した。同チームは昨年、太平洋の公海で広範囲に分布することを突き止めていたが、日本のEEZで大量に確認されたのは初めて。埋蔵量は国内需要の200年分以上と推定される。
東京大の加藤泰浩教授(地球資源学)らは、南鳥島周辺の深さ約5600〜5800メートルの海底4カ所で、掘削によって得られた泥を採取し、分析した。
その結果、日本のEEZにあたる南鳥島の南西約310キロの海底で、厚さ30メートル分の泥に最高1700ppmという高濃度のレアアースが含まれていた。同島の北約200キロのEEZ内やEEZ外の1カ所でも平均1千ppmを超えていた。レアアースの中でも重要な元素は、陸上の鉱床より3〜4倍多く含まれていた。
こうしたことから、この海域には1千平方キロの広範囲にレアアースの泥の鉱床があると推定され、埋蔵量は680万トンに上ると推定されるという。2010年現在、日本のレアアースの国内需要は約2万7千トン。