ソフトバンク9月携帯純増で首位を維持
[東京 5日 ロイター] 携帯電話各社が5日発表した9月の契約数によると、新規契約から解約を差し引いた純増数で、ソフトバンク(9984.T: 株価, ニュース, レポート)子会社のソフトバンクモバイルが9カ月連続で首位を維持した。2位はKDDI(9433.T: 株価, ニュース, レポート)だった。
両社は米アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)製の新型スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)「iPhone(アイフォーン)5」を9月21日から開始。2社の販売競争はソフトバンクが制した。
ソフトバンクの純増数は32万0200件(前年同月は27万5700件)、KDDIは22万4900件(同12万5300件)だった。一方で、通信会社を変更しても同じ電話番号が使える「番号継続制度(MNP)」の転入超過数では、KDDIが9万5300件(同8700件)だったのに対し、ソフトバンクが1200件(同3万5800件)で、KDDIに軍配が上がった。
KDDIの転入超過件数は今年最高で、2006年10月にMNPが始まった年度末にあたる07年3月に記録した14万8000件に次ぐ水準。同社の広報担当者は「MNPでソフトバンクからの流入は前月の3倍くらいに増えた」とアピールした。
一方で、ソフトバンクは「(転入の水準は低いが)転出超過は免れた。アイフォーン契約の多くを守ることができた」(広報)と強調した。アイフォーン5は「過去のアイフォーンのどのモデルより圧倒的な人気」として入荷待ちの状態。多くの予約の契約が翌月に持ち越され、10月以降の契約の伸びに期待ができるという。
一方で、アイフォーンを扱っていないNTTドコモ(9437.T: 株価, ニュース, レポート)の転出超過は9万5200件で「一人負け」の状態。同社は09年2月から他社への契約流出が続いている。純増数でも3位にとどまった同社の9月の実績は15万8600件(同20万0800件)だった。アイフォーン5の販売開始の影響は「一部で解約が出るなど多少の動きがあった」(NTTドコモ広報)としているが、高齢者向けに8月から発売した「らくらくスマホ」が敬老の日のプレゼント需要で誇張だったこともあり、9月の契約全体に大きな影響はなかったと判断しているという。
(ロイターニュース 村井令二 編集 宮崎大)
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